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第18話

18





" 信じてる "













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誰のことも信じてなんかいなかった。

信じて裏切られたくないから。

自分が傷つきたくないから。

最初っから信じなければいい。

誰にも頼らず、自分「ヒトリ」で生きていく。

みんなみんなに、壁をつくっていた。

はずなのに……。

心春のことは。

この世界で心春のことだけは。

信じてみたい、って思ったの。










髪を切られた次の日。

心春が私を救ってくれた次の日。

私は『へや』にいた。

放課後。

いつもと変わらない時間。

心春がいて、私がいる。

外の世界とは遮断された、2人っきりの世界。

この時間が永遠に続けばいいのにね。

私の幸せな時間。



心春
ねぇねぇ……
うーちゃん
なに?心春

心春が私のシャツの袖をチョンチョンと引っ張る。

小さな仕草もかわいいな……。
心春
うーちゃんは、私といて楽しい?
楽しいよ、もちろん。
私が笑顔になれるのなんて、心春の前だけだもん

この『へや』だけ。

この『へや』、心春の前だけでは、私は笑顔になれるの。

心春といると、自然と笑ってしまう。

心春が可愛くて、バカで、愛おしくて……。

楽しい。

そう、心の底から思えるんだ。
心春
うーちゃんは私を……
「ヒトリ」にしない?
私は心春から、ずっと離れないよ


私と心春で「フタリ」なんだから。

心春がいなかったら、意味ないの。

私は心春が大好きだから。

どんなことがあったって、離れないよ。

「ヒトリ」にしないよ。
心春
私ねっ!
うーちゃんのことずっと忘れないよ

心春が笑った。

小さなえくぼができて、瞳が虹型になる。

私の大好きな心春の笑顔。

急にどうしたのよ?
私だって、ずっと忘れないよ!


今日の心春は変なことを言うな。

まあ、いつものことだけど。

私は心春といて楽しいし。

心春を「ヒトリ」にしないし。

心春のことを忘れない。

全部全部、私の本心だった。

胸をはって言える。

だから……大丈夫だよ。

私が好きなのは、世界でたった一人。

心春だけなんだから。







時間がたつのは早い。

空がもう、真っ暗になってる。

ギリギリまでこの『へや』にいたけど、そろそろ帰らないといけない。

学校が閉まっちゃうから。

 
じゃあね、心春!
また明日ね
心春
……
心春?

心春はじっと下を向いていた。

白いワンピースを握りしめている。

心春……?

どうしたんだろう。




そんな心配も一瞬で。

心春はガバッと顔を上げた。
心春
バイバイ!
うーちゃん

やっぱり心春は笑顔だった。

私の大好きな心春はいつでも笑顔だな。

心春には笑顔が似合うよ。

心春には……ずっと笑顔でいてほしいな。

私の密かな夢にしとこう。
じゃあね







私は心春に手を降って。

『へや』を出た。