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第6話






" ずっと泣いている "









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心春
なんで泣いてるの?


誰この子。



言ったら心春が怒りそうだけど、私が心春に思った最初の一言はそれだった。

誰よ。

私、こんな子なんて知らない。






あれは、入学式の日だったな。

っていっても、私にとっては始業式の日。

高校2年生になった日。

桜の花びらが散る、綺麗な日だった。

だけど……

私にとってはいつもの汚れた日。

今日もまた殴られ蹴られた。

でも、今日はまだマシな方だったな。

新入生にイケメンがいたんだって。

それだけで、何で私に対するいじめが弱くなるのかは知らないけど。

でも、進級早々ボロボロにならなくてすんだ。

別に……ボロボロになったって関係ないけど。

2年生になったからって「トモダチ」を作る気なんてない。

そんなのいらない。

そんなの信じてない。

結局みんな、自分のことしか考えてないんだから。

私には感情なんてないし。

嬉しいとも楽しいとも思わない。

そんな冷たい私。

大丈夫。

私は「ヒトリ」でも平気。

私は強いんだから。




そんなことを思いながら、裏庭を歩いていたときだったね。





______あなたに出会ったのは。









心春
なんで泣いてるの?
は……?
誰この子。

突然現れた小さな女の子。

いや……本当に小さいな。

白いワンピースを着ているピンク髪の女の子。

外見からわかる情報は以上。

嫌、本当はもっといろいろあるけど、私がこのときはこの子に興味なかったから。

覚えてないんだ。

まあ、この情報だけで十分だったんだ。

この子に関わってはいけないと理解するには。

だって、ここ学校だよ?

こんな小さくてしかも私服の子がいるはずない。

普通におかしい。

うん……逃げよう。

私は身を翻し、来た道を戻ろう……









とするけど出来なかった。
ちょっ……!
「小さな変人ちゃん」にスカートの裾を握られていた。

このままじゃ動けないじゃん。

私はしかたなく、女の子に向き合う。
ねぇ……離してくれる?
心春
なんで泣いてるの?


さっきからこの子、それしか言わないじゃん。

頭大丈夫かな?

私、泣いてないし。

何が言いたいのかわからない。
私、泣いてないよね?
心春
泣いてるよ
え??
心春
あなたの心、泣いてるよ


女の子は私を真っ直ぐに見つめる。

何故かその目を見ると。

全てを見透かされているような気がした。



……泣いてないし。

私には感情なんてないんだから。

心が動くはずないの。

やっぱりこの子は変よ。

私は……泣いてなんていないんだから。
私は泣いてなんかいない!
もう行くわ
心春
待って!

「おかしな女の子」は私のスカートの裾をまた引っ張った。

もう……何よ?
心春
心春こはる……私、心春って言うの。
明日もここに来て!


行きたくない。

こんな面倒くさいことするはずないじゃん。

そう……いつもなら思うはずなのに。


わかったわよ……


何故か私は頷いてたんだ。