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第12話

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" 2人っきりの世界へ "












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心春
2人っきりの世界に行きたいな

5月に入ったばかりのある日。

心春が何気なくつぶやいた。
2人っきりの世界?
心春
そう!
私たちの他には誰もいないの。
邪魔する人も、嫌がらせする人もいない。
そんな世界があるなら……今すぐ行きたいな


暴力、暴言から逃げられる世界か。

そんな世界あったら、今すぐにでも行きたい。

辛い日々から逃げたいよ……。

だけど、今は心春がいてくれるから。

私の存在理由は心春なんだ。
心春
2人っきりの世界になったら、誰の目も気にすることなく、うーちゃんを愛せるね
今もほとんど2人っきりの世界だけどね


こんな古ぼけた旧校舎には誰も近づかない。

暗い3階には誰も上がってこない。

怖い1番端の教室には誰も入らない。

この『へや』は私たちのもの。

2人っきりの世界なんだ。
心春
ここはまだ不完全だよ
心春
私は本当の2人っきりになりたいの


そう言って、遠くを見つめる心春。

何にも振り回されることのない世界に行きたい。

目の前にいる心春だけを愛せる世界。

どんなことがあっても……永遠に。

心春。

好きだよ。
ねぇ……心春
心春
なに?
キスしていい?











自分で言って自分で驚いた。

何言ってんの……私。

こんなのおかしい。

いくら心春のことが好きだからって……。

心春のことが大好きだからって……。

キスなんて。

どうしたんだろう。

私はキスなんてしな……




















……………っ!?!?



頬に優しく触れた。

ふっくらとした淡い感触。

心春の顔がすぐ横にある。







______心春にキスされた。









な……んで
心春
していいよ
え……?
心春
うーちゃん。
私とキスしよ?


心春が顔を赤らめながら、私に言う。

なん……て。

キス……していいの?

おかしいよ。

私と心春は「トモダチ」。

好きだけど……大好きだけど。

でも、「トモダチ」。

それ以上の関係になんてなるはずない。

だけど……













今は溺れていたいの。













心春の愛に。














私の愛に。







私は心春の唇に自分の唇を重ねる。




柔らかく甘い香りがした。




私は心春とキスをした。