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第7話





" あなたをつれていく "









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心春
来てくれたんだ〜
別に……
約束を破る趣味はないから


放課後。

いつもの汚れた日々を終えた私は、裏庭に来ていた。

「昨日の変な女の子」に会うために。

女の子は普通に裏庭にいた。

嫌……普通ではないな。

だってこの子、木に登ってるんだもん。
何で登ってるの?
心春
景色がいいからよ!
風が吹いて気持ちいいのよ
意味わからない。

何でそんなので木に登るの?

やっぱり変な子。

いいなーー
若いと身体が軽くて
心春
え?
何言ってんの。
私とあなた、同い年だと思うけど
は??
私高2だけど
心春
そうよ!
私も高校2年生よ


こんな小さいのに??

いや……本当に小さいんだよ?

150cm絶対にないよ。

胸だって、全然ないし。

どう見たって、可愛らしい顔。

本当に同い年??



心春
あなた、この身長で!?とか思ってるんでしょ!
えっ……まあ……
心春
素直でよろしい……じゃないよ!
別に身長は低いし幼児体型だけど、これでもこの学校の高校2年生よ!

まあ……言葉はきちんと話せてるし。

見た目と頭以外は、高校2年生なんだろうな。

……でも、私こんな子学年で見たことない。

私たちの学年、全員で150人ぐらいだし、一回ぐらい見たことあってもいいと思うんだけど……。

私、あなたを学校で見たことないけど
心春
そりゃそうよ!
私、不登校だし
この世界に不登校を堂々と言う人なんているのかな。

しかも何故か得意気だし。

不登校って一般的には悪いことだよね?

嬉しそうに言わないでくれる?
進級できたの?
心春
心配してくれるんだー!
ギリギリの出席日数でクリアしたよ〜

ゲームでステージをクリアした、みたいなノリで言わないでくれる?

まあ、こんな子学校にいられてもうるさいだけかも。

もうずっと不登校続けてくださーい。
心春
ねぇ!
とっておきの場所行こうよ!
行かない
心春
ここは普通「どこ?」とか「何それ?」って言うところでしょ!
普通に答えるんじゃないの〜
だって、聞かれたし
心春
よし!じゃあ行くか〜
私行かないって言ったんだけど
心春
いいからいいから〜

全然よくないし。

この子には日本語ってものが通じないのかな?

そんなことを考えていたら、いつのまにか木をおりていた「うっとおしい変人」が私の手をとった。
心春
行こっ!


ニコッと笑顔で言った。

小さなえくぼができていた。

ふーん……

笑うと可愛いんじゃないの。








私は「少しは可愛い変人」に手を引かれながら、歩いた。

本当は振りほどけたはずの手を。

私は振りほどかなかったんだ。












笑顔を向けられたのが、久しぶりだったから。