次の日出勤すると、先輩の姿があった。
私が声をかけると、振り向くイケメン…先輩!
無視して歩き出す先輩。
後を追って部署に入っていく。
挨拶を済ませて自分のデスクに座る。
前には先輩も居る。
そう言っても何も答えず仕事に取り掛かる。
しばらくして、昼休憩になる。
でも先輩の姿がない。私がコピーをしに席を立ってから帰ってきていない。
すると、私のパソコンに小さな付箋が貼ってあった。
そこには、「外で待っている」と綺麗な字で書いてあった。
私は会社の外に出る。そこには、壁に寄りかかって待っていた先輩が、
私達はスマホで周辺のレストランを探し、美味しそうなイタリアンのお店に向かった。
意外と空いていて、私達は窓辺の席に座った。
私は小さなピザの盛り合わせ。
先輩はペペロンチーノを頼んだ。
その時店員さんが、
「今カップル割引きしているので、しておきますね。」
そう言って料理と伝票を置いていった。
気にせず食べる先輩。
無表情で食べ続ける先輩。
心の中で とても 喜んでいた…
私も食べる。とっても美味しかった。
お会計では先輩が払ってくれた。
私はカップルに見られた事が嬉しくてルンルンしていた。
私は先輩の後ろ姿を眺めたくて少し距離を置いた。
とてもかっこよくて見とれていたら、人混みに流され、先輩とはぐれてしまった。
私はウロウロしていたら、知らない男の人に腕を掴まれた。
「君迷子?」
またか…
ガラの悪い男にまた絡まれた。
その時後ろから大きな体に包まれた。
その時口を手で抑えられた。
「チッ…彼氏持ちかよ。」
ガラの悪い男は走り去って行った。
私は先輩の胸に飛びついた。
先輩はまた歩き出す。さっきよりスピードを落として。
そう言う気遣いをしてくれる先輩にもっと惚れてしまう。
私は先輩の手を握る。
先輩は眼鏡を掛け直して、手を握り返してくれた。
とても幸せな昼休みだった。
私は同僚達に挨拶をして先輩の後を追った。
先輩はもう車をまわして待っていた。
私は恥ずかしくて黙り込む。沈黙が続いたまんま先輩の家に着く。
よく見ると、奥さんの物が全て捨てられていた。箸もコップも新しい物になっていた。
私は先輩の料理を手伝った。
まぁ…半分以上先輩が作ったけれど、
一緒に作った物を一緒に食べれるのがとても幸せだった。
私はお風呂に入る。
私は先輩の事を考えながらお風呂を出た。
先輩は読んでいた本を置いてお風呂に向かった。
私はソファに寝転んだ。
ジロジロと先輩の家を拝見していた。
しばらくして、後ろから声をかけられた。
そこにはバスローブ姿の先輩が…
私はテレビに目を向ける。
しばらく何も話さずして、そろそろ眠くなってきていた。
先輩はベッドを綺麗にして、明かりを付けてくれた。
私は先輩に向かってこんな言葉を発していた。
先輩は何も言わずに寝室を出て行った。
私は恥ずかしい事を言ってしまったと思い、ベッドの端に座った。
しばらくすると、寝室のドアが開いた。
先輩は私の反対のベッドの端に座った。
先輩は大人な色気を放ちこちらを見ていた。
私はベッドの上に座った。
その時、先輩に押し倒された。
先輩は眼鏡を外して枕元に置いた。
そして、優しく私にキスをした…
今日の夜はいつも先輩では無かった。
ベッドを綺麗にした意味は無かったみたい?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。