第7話

3年後
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2019/02/07 08:13
ぽかぽか温かい春。

俺は ベランダに出た。

桜が舞い、日差しが差し込む。

俺の頭にあいつの笑顔が浮かぶ。

ポケットから 煙草を出す。

あいつが嫌いな匂い。

煙草を吸う時はいつもベランダだった。

火をつけて口にくわえる。

風が気持ちいい。

春は俺の好きな季節。

3年前までは。

こんな静かな休日は久しぶりだ。

ベッドからゴロゴロと出てくる奴もいない。

ベッドは綺麗なまま。

朝ごはん と叫ぶ奴もいない。

煙草を取り上げる奴もいない。

俺は煙草を消して部屋に戻る。



キッチンに行けば、

いつもなら散らばっているあいつのお弁当箱も

ない。

俺はフライパンを火にかけ、朝ごはんを作る。

いつもなら、

勿論二人分。

俺は青の皿を取る。

ペアマグカップもピンクにはホコリが被っていた。

俺は手を合わせて朝ごはんを食べる。

美味しいと言ってくれる奴もいない。

1人静かに食べる。

しばらくして食べ終わり、キッチンに戻る。

キッチンからリビングを見ても

あいつはいない。

俺はその場に膝をついた。

初めて俺は心の底から泣いた。

声を上げて初めて泣いた。





























俺の好きな あいつ は 、































3年前 。













突如 俺の 前から


姿 を 消した。

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