“人狼“
それは人間から恐れられている恐怖の存在。
人を喰らい、人を脅かすモノ。
この物語はそんな人狼が出てくる物語です__
彼女達は友達だ。
仲が良く、頭も良い。
と、彼は言う。
『占い、かぁ。
苦手なんだよなぁ…。』
と、瑠璃は思う。
そう、ここは普通の学校ではない。
ましては普通の高校生でもない。
ここは人狼を倒す為にある、
“宵月学園“
ピンポンパンポーン。
この時は分かりもしなかった。
あんな最悪な事件に巻き込まれることを。
____。
いつもは暖かい空気感が流れてる第1プレイルームだが、今日はやけに嫌な空気感がある。
バンッ、と近くにあった机を叩く。
そしてカンナの制服の胸ぐらを掴む。
蓮が小さく「最初からしろ」と呟く。
ガラガラッ!!
シーン…
と場の空気が凍りつく。
そこでカンナが口を開いた。
にこ、と彼は微笑みながら言った。
カンナの耳についている小型トランシーバーが反応した。
皆が頭に「?」を浮かばせている中でカンナは何も言わず出ていく。
ガラガラ…
チラ、とカンナは蓮を見る。
その目は冷たく、そこに居る者全員の背筋が凍った。
ピシャッ、と扉が閉まられる。
その時、瑠璃が言った。
その顔はいつにも増して、皆の顔を顰めさせるものだった。
そしてこう言った。
『良いわよ。
かかってきなさい。』と__
STORY 1.
END︎︎︎︎☑︎
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!