第14話

twelve
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2021/06/19 00:15
過去three

ある日近くの公園で男の子が泣いていた
すごくきれいな顔の子
名前はわからない
わざと聞かなかった
その子はいじめられていたらしい


(三島亜矢) 何年生なの?

(???) …3年生

(三島亜矢) 私と同じだー!

その子はずっと悲しそうな顔をしていた
私はその子を救ってあげたいと思った
いつか、その子が心から笑えるように
なるまで
罪滅しのつもりだった

すっかり仲良くなった私達はお互いに
ついて話した

男の子はバレーが好きらしかった
いつかプロの選手になる、
そう意気込んでいる様子はとても
かっこよかった

私は本が好きでいつか小説を書いて
みたいことを話した

2人で話しているうちに
日が暮れてきてしまったので私達は
次合う約束をして別れた


それから毎回、水曜日にその男の子と
あった
毎回毎回会うのが楽しみで
私はその、素性の知れない男の子のこと
が好きになっていった


そのうち、いじめのターゲットが私に
なった
東京の時よりもひどくて、
ランドセルをゴミ箱に入れられたり
机に落書きをされたりした
でも、私は平気だった
なぜならその子がいたから


でも…

ある水曜日、いつものように公園に行く
とその男の子ともう一人知らない男の子がいた

(???) その子は?

(???) あぁ、毎週あってた子

(???) へえぇ
   あ、よろしくね

(三島亜矢) …よろしく

話を聞くといじめられていた男の子は
その、もう一人の男の子に
いじめられていたところを
助けてもらったらしい
私は裏切られたような気分になった

その子もいじめられている、
同じような仲間がいるからと
頑張れていたのに

喋っていてその子がすごく
表情豊かになったことに気づいた
前みたいな悲しい顔をしていない
きっと、いじめられなくなったから
だろう

それはいいこと

でも…




“もう、なんとでもなれ”
呟いた瞬間思ってもない言葉が
口から溢れた

“良かったね”

“もういじめられなくなって”

(???) え?

“さようなら”

(???) 待ってよ
     どうしたの?

“そのまんまだよ”

“じゃあね”
             ..
“せいぜいそこの子と仲良く下手な
バレーやれば?”

一瞬その子の顔が歪んだ
すごく悲しそうに
そして

(???) そ、じゃあね



しばらくして、私は取り返しのつかない
ことをやってしまったんだな、と
気がついた
同時にもう戻れないことも


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どうも、作者です
長くてスイマセン…(٥_ _)

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