角名side 角名の過去
俺は小さい頃から家族ぐるみで
アイツと関わってきた
まぁ、アイツん家、母親いないんだけど
だから、
俺、妹、父、母、アイツ、アイツの父親
ってことになる
父親は二人ともバレーで知り合った中で
その影響か小さい頃から
俺はバレーに触れていた
妹とアイツは特別興味はなかったらしく
バレーをやっているところは
見たことがなかった
数年がたち、俺は中学生の大会で
表彰されるまでになった
その数ヶ月後
学校から帰ったら妹が
バレーボールの練習をしていた
父に付き添ってもらって…
妹はめざましく成長していき、
たった一年足らずでうちの学校の女バレ
をベスト4までにした
それまでは県大会
準決勝敗退程度だったのに…
つまり、妹は俺よりも圧倒的にバレー
の才能があった
もちろんユースにも選ばれた
その頃には、もう、俺の妹を見る目は
憎しみでいっぱいになっていたと思う
父や母は心配して、アルゼンチンにいる
アイツに電話をかけた
(三島亜矢) 倫久しぶり〜
元気…ではないだろうけど
(角名) 久しぶり
(三島亜矢) お父さんたちから
聞いたけど…
あのさ、麻耶ちゃんは
確かに倫と血は繋がってる
けど別人だよ?
倫とは違う
わかる?
(角名) …まぁ
(三島亜矢) そんなに麻耶ちゃんの
ことでむしゃくしゃ
するなら高校で遠くの所
行ったら?
そしたら自分なりの武器を
見つけたりできる
かもしれないし
(角名) 確かにね
まぁ、高校はそのまま愛知
で行くけど
(三島亜矢) そ、じゃあね
(角名) じゃあね
亜矢の言うとおりだと思った
そこで前々からスカウトされていた
稲荷崎高校に行くことにした
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。