「バスに乗れ」
イレイザーヘッドがそう言った。
疼く触手を収める。
笑顔が、ニヤけが止まらない。
カルマも表情が緩んでる。
今、なんて...?
後ろからカルマが飛びついてくる。
本当に何言ってるの?訳わかんないよ...。
振りほどこうとした浅野君の手からは逃れられなかった。
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気まず...。
バスに揺られて肩が時々ぶつかる。
本当になんにもないのに連れてきたの?
僕がE組に入ることになったきっかけ。
それはカルマと同じ。暴力沙汰だった。
笑って見せる。
そう言って浅野君は窓の方を向いてしまった。
カルマがずっとこっちを見ている。
この小さいバスの中から早く出たい。
オールマイトを...殺すんだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!