ブウウウウウウウウウウ
昼休みのことだった。
急に警報が鳴る。
もしかして...。
俺はみんなと反対方向に向かって走り始めた。
引き止める声を無視して。
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気配を辿る。
右に曲がって、左に行って。階段を下って。
広い庭のようなところに人影があった。
怒りが肩に蓄積していく感覚。
肩が焼けるようにいたい。
体が悲鳴をあげている。
カルマも知らない僕の姿。
僕の肩から赤黒い触手が出ていた。
触手が空振って地面を叩く。
その度に地面が振動する。
全ての攻撃を俊敏に交わす柳沢。
もうそろそろ体力の限界。
ろくにメンテナンスしていない触手を急に使って、体が耐えられる訳が無い。
そう言って僕に対触手ナイフを突きつけて言った。
グサッ
触手に異物が刺さる。
僕はゆっくり意識を手放した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。