第35話

#みちなが①(攻→長尾 受→道枝)
22,527
2022/03/19 00:01










ある日の夜……



(チャイム)『ピンポンパンポーン』


(駅内アナウンス)
「繰り返しお知らせしておりますように
車内トラブル、ならびに
 一部区間の大雪の影響で東京~福岡区間の
新幹線の運行を中止しております。
 お客様にはご迷惑を……」








(マネージャー)「ま、まじかよ…」


(長尾)「結構やばいっすね~」


(道枝)「明日大阪で収録やのに…」


(長尾)「まぁ!なんとかなるって!」


(道枝)「ポジティブやなぁ。
    なんか今の状況から
抜け出せる方法思いついたん?」


(長尾)「え~!なんもない!」


(道枝)「なんもないんかい!」





俺と長尾は明日二人で大阪の番組収録に


参加させてもらうから


今日東京を出発する予定やってんけど、


緊急トラブルで行けんくなってん。




(マネージャー)「どうにか!
どうにか動きませんかね~泣」



(駅員)「申し訳ないのですが
お客様の安全を考えまして…」



(マネージャー)「そ、そこをなんとか…!」





(長尾)「マネさんめっちゃ頑張ってくれてんなw」


(道枝)「でも今日ばっかりは無理そうやな…」





すると長尾がマネさんに駆けよって、

(長尾)「マネさん!今日は帰りましょ!
    明日の始発で行けば
どうにかなるんちゃいます?」


(マネージャー)「で、でも…」


(長尾)「収録19時からですし!俺らは大丈夫ですよ!
    なぁ、みっちー!」


そう問いかけられたので慌てて


(道枝)「あ、はい!全然大丈夫です!」


(マネージャー)「ふ、二人とも~~泣」




何とか二人でマネさんを説得し、


始発のチケットは取れなかったので、


9:30発車の新幹線に乗ることになった。





(長尾)「よっしゃぁ!わが家へ帰ろか!」


(道枝)「我が家っていうか、ホテルやけどなw」


(マネージャー)「ホテルに連絡しますね」


(道枝、長尾)「お願いします!」


(長尾)「丈くんが今日の夜は
ゆっくり寝られるわ~って言うてたから
    いつもよりうるさくして脅かしたろ~!」


(道枝)「ほんま考えてる事が子供すぎるわ…w」


(長尾)「それみっちーが言えることなん?w」




二人で楽しく談笑していると、


マネージャーさんが慌てた様子で駆け寄ってきた。


(長尾)「どうしたんですか??」


(マネージャー)「今日、本当やったら
二人とも
大阪に泊まる予定やったから
        ホテルの人に部屋の清掃
頼んでたんやけど、
        二人が帰ってくるのが
二日後やったから
        人手不足で
先に別の部屋を清掃してて
        まだ掃除
できてないらしいねん…。」


(道枝)「あ~、ほんまですか…
    別に掃除されてなくても
いいですけどね笑」


(マネージャー)「なんかホテルの規定に反するから
        今日はお部屋を
ご提供できませんって言われて…」


(長尾)「今日は色々大変ですね笑」


するとマネージャーが


申し訳なさそうな顔をして切り出した。


(マネージャー)「事務所に確認したんだけど、
        俺の判断に任せるって
言われたから
        一つの提案として
聞いてほしいねんけど…」


(長尾)「なんですか~??」


(マネージャー)「今からホテル探すってなると
めっちゃ時間かかるし、
        もう夜遅いから
早く寝たほうがええやろうし…
        一番手軽に
泊まれるホテルって言うたら…
        ら、ラブホかなぁって
思うんやけど、、、」



ら、ラブホ…、、。


ラブホってカップルとかが


あんなこととか、こんなこととかする場所…、、。


勝手にいろいろ想像してしまい赤面する。



(道枝)「ら、ラブホ…ですか…、、。」


(マネージャー)「やっぱりジャニーズが
ラブホはダメだよな~
        うわぁ、どうしようかなー、」



マネージャーさんを困らせたくはないけど


何もないとはいえ、さすがの俺も


長尾と二人でラブホは意識してしまう。




(長尾)「俺は別にいいっすけど。」


ケロッとした顔で言う長尾に俺は驚きが隠せない。


(道枝)「な、長尾…?、、ほんまに言うてる?、」


(長尾)「何が悪いねんw
    ラブホってそういうことする場所やけど、
    普通に泊まれば
普通のホテルと変わらんのちゃう?
    しかも俺らは変な関係やないし。
    なぁ、みっちー。」



そう言われて、


一人で落胆してるのを悟られないように


(道枝)「あたりまえやん!」と笑顔で返した。





俺、道枝駿佑は


ずっと前から長尾に片思いしている。


しかし、大吾くんからは


お見通してすぐに気づかれてしまった。


前に大吾くんが


(西畑)「長尾も道枝のこと好きやで。」と


にやにやしながら言ってきたが


一ミリも信じていない。




『変な関係』か…、、。


長尾にとって男同士の恋愛は


『変な関係』なんやな…。


そんなん失恋確定やん。


(長尾)「みっちー?どしたん?w
    そんな一点見つめてw」


(道枝)「あ~、ごめんごめん。
    ちょっと考え事してただけやで。」


(長尾)「で??」


(道枝)「ん?」


(長尾)「どーすんの?ラブホでええの?
    俺早く寝たいねんけど。」


(道枝)「一泊だけやし…、まぁえっか。」


(長尾)「ハイ決まり!」


そうしぶしぶ承知し、車へ乗り込んだ。






そこから車に乗ってラブホテルに向かう途中、


長尾といろいろしゃべったような気がするが


緊張しすぎて、全く話が入ってこず、


気づいたらラブホテルの前に着いていた。





(マネージャー)「明日九時に東京駅集合やで。」


(道枝)「はい!わかりました!」


(長尾)「今日も一日ありがとうございました!」


(道枝)「ありがとうございました!」


(マネージャー)「お疲れさまー」






マネージャーさんを見送った後、


長尾が慣れた手つきでチェックインを済ませる。


(長尾)「あれ~、一部屋しか空いてへんやん。
    だっる。もう一緒の部屋でいい?」


(道枝)「ま、任せるわ、、!」


そう強がったものの、


心臓の鼓動が早くなった気がした。



無事にチェックインが終わり、


エレベーターへと向かう。



(道枝)「な、長尾はこういうとこよく来んの?」


(長尾)「なんで?w、全然やでw」


(道枝)「いや、チェックイン慣れてたから…」


(長尾)「うーん、男はみんなこんなもんちゃう?」


(道枝)「そ、そうなんか…」




そう話しているうちに部屋の前に到着し、


カードキーをかざして部屋の中に入る。






(道枝)「うわぁ!広っ!
    ベットもテレビもめっちゃでかいやん!」


(長尾)「何でそんなはしゃいでんのw
    来るの初めてなん?」


(道枝)「そ、そんなん長尾には関係ないやん…」


(長尾)「ふはっww、わかりやすすぎるやろw」


そう笑いながら来ていたコートを脱いでいる。





(長尾)「お風呂、どっちから入る?」


(道枝)「あっ、、えーっと、」


(長尾)「なに?一緒に入りたいん?w」


(道枝)「ちゃうし!な、なに言うてんねん!」


(長尾)「顔真っ赤やんww冗談やってw意識しすぎw
    これから一緒のベットで
寝るんに大丈夫なん?w」


(道枝)「い、一緒のベット…?」


(長尾)「当たり前やん。
ベット一個しかないんやから。」




素早くベットのほうを見ると


大きなベットがドーンと置かれている。



(道枝)「あ、そっか…」


(長尾)「俺、お風呂先入ってきてもええ?」


(道枝)「お、おん、、ええよ。」







これから一緒のベットで寝るんか…。


でも長尾、なんにも意識してないみたいやし、


別になんもないよな…。







長尾がお風呂に入っている間、


携帯を触っていると


大吾くんから電話がかかってきた。



(道枝)「もしもし、大吾くん?」


(西畑)「みっちー、聞いたで。」


(道枝)「な、何をですか…?」


(西畑)「今さ、長尾と二人でラブホにおんねやろ?」


(道枝)「な、なんでそれを…、、」


(西畑)「マネさんがこっちに戻ってきてくれたから
    二人のこと聞いたら教えてくれた。」


(道枝)「へ、へぇ…」


(西畑)「二人でラブホか~…、
    お互い余裕ないんちゃう?w」


(道枝)「からかわんといてください!
    ほんまになんにもないから…、。」


(西畑)「ふ~ん、ほんまかなぁ~w」


大吾くんのにやにやした顔が目に浮かぶ。





そうこうしていると後ろから長尾の声がした。



(長尾)「みっちー、入ってきてええで~」


(道枝)「あ、はーい。
    大吾くん、長尾が
お風呂から上がってきたんで
    俺も入ってきますね。」


(西畑)「なぁ、長尾バスローブ着てる?」


(道枝)「あ、はい、着てま…す…、、」


(西畑)「へ~、みっちー顔赤いんちゃう??w」


(道枝)「べ、別に!
なんとも思ってないですから!!」


(西畑)「ふ~ん、えろいんやないん??」


(道枝)「えろく…ないことはないけど…、」


(西畑)「あはははwみっちー素直やなw
    じゃあ頑張ってな~」


(道枝)「な、なにも頑張ることなんて
ないですから…!!」


そう言い終わる前に電話は切られていた。








お風呂上がりの長尾が髪の毛をタオルで拭きながら


(長尾)「誰~?」と聞いてきた。



(道枝)「大吾くん。
    二人でラブホにおること、
からかってきただけや。」


(長尾)「へ~、よく電話するん?」


(道枝)「まぁ、たまに?、いや、結構するかな…?」


すると長尾が少し不機嫌な声で


(長尾)「俺には全然かけてこうへんくせに。」と


低い声で呟いた。



(道枝)「え…、、?」


(長尾)「って俺なに言ってんねやろ…w
    ごめん、お風呂入ってきてええで。」


(道枝)「あ、、うん…」







さっきのはなんやったんやろ…。


お風呂につかりながらゆっくりと考える。


長尾が俺に嫉妬なんかするわけないもんな…。


でもあんな真剣な顔であんなこと言われたら


余計意識してしまうやんけ…。




よし。今日はもうすぐ寝よう。


変なことを考える前に


とにかく猛スピードで眠りにつくんや!


そう強く決意をし、浴槽から出た。











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