泣き続けたせいか目も充血していて
見るに見られないほど痛々しい姿。
そんな君を目の前に自分は一体何ができるというのだろうか。
そんな彼女に後ろから声をかければ
案の定かすれた声で返事が返って来る。
そんな彼女を見ていたら自然と言葉が出てしまっていた。
そういって笑う彼女はとても弱々しくて見ていられない。
お願いだから気づいてくれ。
これ以上あいつと一緒にいたら
本当に君が駄目になってしまいそうで俺は怖くて堪らないんだ。
どうしてこんな事になってしまったのだろう。
俺はこいつをこんなにしたその男が憎くてた堪らなかった。
どうしてこんなにも彼女から想われているのに大事に出来ない?
俺だったらこんな悲しい思いを絶対させたりなんかしない。
絶対にだ。
あんな奴止めて俺にしろよ。
そう言って本当は今すぐにでも君を奪ってしまいたい。
だけどいざと言う時に限って臆病な俺は結局その一言が言えずにいる。
そう言って綺麗に微笑む彼女は俺の気持ちを全て見透かしているようで、
彼女に突きつけられた現実は余りにも残酷で、
所詮俺と云う人物は彼女の中で小さな存在でしかないと改めて実感させられる。
俺本当はお前があいつを好きになるずっとずっと前からあなたの事が好きだったんだよ。
この恋の行方は、
(終わりの見えない迷路の様)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!