もうあれからどれ程の時間が経ったのだろうか。
涼介から触れられた箇所全てが火照る様に熱を帯びている。
恥ずかしさと今までに感じた事のない下半身の疼きで朦朧とする意識の中、
少し苦しそうに眉を潜めた涼介が私の耳元で上ずった声でこう呟いた。
「顔隠すなってば」
「っ、恥ずかし、」
やけに落ち着いた彼の声が優しく私の耳を刺激した。
余りの恥ずかしさに熱を帯びた顔を両手で隠していると
彼の手が私の手をどかして、ぐっと顔を近づけてきたのだ。
ああ駄目だ。
恥ずかしさで頭がどうにかなってしまいそう。
「あなた、綺麗だよ」
ちゅっと首筋に優しく口づけを落とすと涼介は私の上に覆いかぶさり、
そして誰にも触れられた事のない場所へと触れてきたのだ。
私のそこは自分でも分かる程に充分潤っていて涼介の指をすんなりと受け入れた。
「あっ、」
今まで聞いたことのない自分の声にまた恥ずかしさがこみ上げる。
涼介から開かされた脚を自分なりの抵抗で何とか閉じようとしてみても
付け根をぐっと押さえ込まれ身動きか出来ない。
そして彼の鋭い視線が私を捉えて離してくれないのだ。
「涼介、もうわたしっ、」
おかしくなる、消え入るような声で未だ私に愛撫し続ける彼にそう告げると、
涼介は少し困った様な顔をして私にこう言ったのだ。
「頼むからそんな顔をすんなって」
そんな顔をされたら優しく出来なくなんだろ
そう言って私を気遣う彼の言葉に堪らなく胸が苦しくなる。
私は乱れる呼吸をなんとか落ち着かせて
自分の上に覆いかぶさる涼介にしがみつく様に抱きついた。
ああもう、どうにでもなってしまえ。
「涼介にだったらいいよ、」
「その言葉、忘れんなよ」
その言葉を聞いた途端、口角を上げくすりと笑った涼介は
私の唇を乱暴に奪って、むせ返るほどのキスをしてみせた。
(酸欠まじりの目眩に揺れる)
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。