「とはいったもののどうしたものか」
悲しい男の性と言うのものだろう。
一度ムラっときてしまうと何もかも全てが
刺激的に見えてしまうのだから仕方がない。
よくよく考えてみると今のこの体勢も色々とおかしいものだ。
それにこいつの今の格好だって短パンからスラリと伸びた綺麗な脚に少し乱れたシャツ一枚。
ああ、俺は一体どうすればいいのでしょうか。
ぷつりと切れそうになる理性を必死に保ち
一秒でも早くあなたを起こす事に専念しよう、そう決意した時だった。
「んん、涼介おはよう」
「おお!あなたやっと起き、た」
「ど、どうしたの」
ようやく俺の念願は叶った筈、だった。
なのに目を覚ました彼女の姿と言ったら未だぼやけた意識で眠気眼。
その挙句俺にしがみついたまま顔をあげてふにゃりと笑ってきたのである。
そんな彼女の仕草に俺の何かがぷつりと切れた気がした。
ああ、もうそんな顔されたら俺だって我慢の限界です。
「あなた、」
「え、ななななに」
「お前が悪い」
寝起きでいまいち現状を飲み込めてない彼女を
そのまま押し倒して何をしたかは秘密にしておきます。
(要は我慢の限界ってことです。)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!