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第9話

執着悪魔にプロポーズされました


頭上で羽ばたいていた彼が、私の前に降り立った。

??
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お前、俺が怖くないのか?

よく見ると角の先は鋭くて、
浅黒い肌と長い爪は近寄りがたい怖さを感じる。

でも角度によって反射する目が猫みたいに綺麗でーー
恋花
恋花
綺麗……
??
??
……!
お、俺は悪魔だぞ!
恋花
恋花
あ、悪魔!?
ロキ
ロキ
そうだ、俺は悪魔ロキ
今までのイケMENの正体は、全部俺だ
恋花
恋花
え?!
ロキ
ロキ
……なのに

ぐぐ…と悔しそうに尖った歯を噛み締める彼は、涙目でこちらを睨んだ。
ロキ
ロキ
あんなに…あんなに苦労して
ありとあらゆるニンゲンの
「イケメン」とやらを調べ尽くして、
お前に与えてやったのに!
ロキ
ロキ
どうしてお前は振り向かない!
なんでずっと失恋した男に惚れてんだ!

口調も荒く、彼は叫んだ。


まさか、今までのイケMENは全て悪魔の仕業だったなんて……。

さらなるファンタジーに頭がパンクしそう。
恋花
恋花
あれ、じゃあ…
ずっと私を騙してたってこと?
ロキ
ロキ
騙す? ああ、そうだ!
俺は悪魔だから
ニンゲンを騙すくらい簡単なことだ
恋花
恋花
すごい…
ロキ
ロキ
は!?
恋花
恋花
あんなにバリエーション豊かな
イケメンたちをあなたが全部
演じてたってことでしょ?
ロキ
ロキ
え、まあ…そうだけど
恋花
恋花
すごいよ!!


思わず称賛の眼差しを向けると、彼はなんだか居心地悪く目を泳がせた。
恋花
恋花
あれ……
でもなんでそんな面倒なこと?
ロキ
ロキ
お前、命の恩人を忘れたのか?

彼がキョリを詰めてきて肩がビクリと跳ねる。

私を見下ろすロキ。

つつ…と頬をなぞる鋭い爪はひやりと冷たくて、
本能が逃げろと叫ぶ。
恋花
恋花
ひっ!
ロキ
ロキ
あ? なぜ怖がる…
さっきまでこの俺に無防備に
近づいてきたくせに

背中が壁に当たってとっさに逃げようとすると、彼の大きな羽が左右を塞いだ。

彼にすっぽりと包まれた状態に、ドキドキと心臓が鼓動を速める。
恋花
恋花
(に、逃げ道が……!)
ロキ
ロキ
俺は色んなモノに化けて生きてきた
あの時は、ちょうど猫に化けてたんだ
ロキ
ロキ
で、お前は轢かれそうになった俺を
庇って死んだ
恋花
恋花
死んだ……?
でも今は生きてるけど
ロキ
ロキ
ああ、俺が生き返らせたんだ
恋花
恋花
えっ!? どうして?!
ロキ
ロキ
う……

ロキの綺麗な瞳と目が合って、また心臓が跳ねる。

なぜか彼は心底悔しそうに、そして顔を真っ赤に染めて私を睨む。

ロキ
ロキ
……くそ、この俺がまさか……
まさかニンゲンごときに…
ニンゲンのお前に惚れちまうなんて!!
恋花
恋花
惚れ?!
ロキ
ロキ
そうだ、見ろ!
このお前に惚れた情けない悪魔を
ロキ
ロキ
命を救ったせいで魔力が尽き
3分しか变化できなくなっちまった
恋花
恋花
3分?!
ロキ
ロキ
そうだ、だから仕方なくカップ麺を
使ってお前にアプローチしたんだ…!

すごく悔しそうにうなだれた彼。
私の横の壁に角がグサリと刺さって気が気じゃない。

でも、なんだか悩んでいた問題が解けて
すっきりした気分だ。
ロキ
ロキ
何度もイケメンに化けたのに
お前からの契約のキスももらえず
失敗しちまったんだ…
恋花
恋花
え、…契約の、キス?
ロキ
ロキ
お前からキスすることで、
俺はお前の魂を手に入れることが
できるんだ
恋花
恋花
ええええ!
そ、そそそれってつまり
もし私からキスしてたら…

ひやりと背中に汗が伝う。

ロキは嬉しそうに微笑んで私の耳元で囁いた。

ロキ
ロキ
ああ、お前は死んでも俺のモノだ
恋花
恋花
(ひぃぃっ!あ、危なかった!だって
私さっき自分からキスしようとしてたよね?!この悪魔、危なすぎる…!)

恐怖のせいか、体が無意識に震える。

真剣なギラついた目で見つめられて、足がすくんだ。
ロキ
ロキ
俺は悠久の時を生きる
だがニンゲンはすぐ老いて死ぬ
ロキ
ロキ
だから俺には時間がない
お前の寿命が、俺にとっての
タイムリミットなんだ
恋花
恋花
タイムリミット…
恋花
恋花
ひゃっ!

突然ぎゅっと抱きしめられて、心臓がドクンと跳ねる。
ロキ
ロキ
これで最後にする
今日フラれたら、もう二度と
お前の前に現れない
恋花
恋花
え…
ロキ
ロキ
俺はお前が好きだ
あの日、救ってくれたときから…
だからお前が死んでも、
魂だけになっても、愛しぬくと誓う

真剣な声が身体に響いた。

ぐるぐるする頭の中を整理するのに精一杯だ。
恋花
恋花
さ、先に!
生き返らせてくれたこと
ありがとう…
恋花
恋花
(でも、この気持ちには……)
ロキ
ロキ
そうか
お前の心にはずっと別の男がいるんだな
恋花
恋花
私、まだ何も言ってないのに
ロキ
ロキ
お前の心なんて丸見えなんだよ!
早くそいつに告白しろ!
今のお前ならきっと大丈夫だろ
明日にでも告白しろ!!

涙目でやけくそなロキ。

でも、なぜか私を応援してくれてるみたい。
恋花
恋花
ロキ……
ロキ
ロキ
そんな顔すんな…
じゃあな


ほんの数秒の瞬きの間に、悪魔ロキは姿を消した。