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第5話

大型わんこ系彼氏に嫉妬されました

天気のいいカップ麺日和。

私は熱湯入りの水筒を持って公園にやってきた。

恋花
恋花
(今までは部屋の中だったけど……)

家族連れやカップルで賑わう芝生しばふが広がる公園。

近くのベンチに座って『イケMEN!』を袋から取り出す。

そう、私は例のカップ麺の謎を追求するために自らにミッションを課した。
恋花
恋花
(イケメンは人前でも出てくるのか、
 そして他の人にも見えるのか…
 今日はそれを確かめてやる!)
恋花
恋花
いざ、お湯投入!






         モクモク

                モクモク


      モクモク  


               モクモク






相変わらず大げさなほどの湯気が私を包み込んだ。


そして当たり前のように現れたのは、180㌢ほどの高身長爽やかイケメン。

Tシャツ、耳にイヤホンのスポーティなスタイル。
??
??
あれ、ここ外?!


彼はつけていたイヤホンを外しながら、優しげな目を大きく見開いた。

キラキラと日の光で透ける髪に目を奪われる。
恋花
恋花
……え、あれ…
恋花
恋花
(普通に出てきた!!でも周りの人、
 何事もなく過ごしてる?!)
恋花
恋花
(さっきの湯気にも気づかなかったの?
 突然人が出てきたんだよ?!)


近くの家族連れはこちらを気にすることもなくフリスビーを楽しんでいる。


ぜっっっったいに気づく距離のはずなのに!
??
??
恋花?どこ見てんのもう! 
こっち!オレのこと見て

彼はぷくっと頬を膨らましたかと思えば、私の横に密着するように座った。

恋花
恋花
ち、近っ!
ハル
ハル
オレのことは、ハルって呼んで? 
彼氏なんだし近くてもいーっしょ?
恋花
恋花
ハ、ハル?

名前を呼ぶと嬉しそうに笑って、もっと構えと言いたげな顔でこちらを見つめる。

なんだかしっぽをブンブン振る大型犬みたい。


それに、健康的な肌と程よく鍛えられた身体に思わず目は釘付けになって……。
恋花
恋花
(うっ……腕の筋が…!首筋も…なんか、なんか、美味しそうっ!)


わずかに香る爽やかなシトラス系の匂いがドストライクで、顔に熱が集まっていく。



その時――
ハル
ハル
危ないっ



フリスビーが勢いよく私の顔面へと向かってくる。
恋花
恋花
へ?!


            ごっ!!


ハル
ハル
いって~……恋花、大丈夫?

無意識に閉じた目を恐る恐る開けると、私を守るように抱きしめた彼が痛そうに頭を押さえていた。
恋花
恋花
だっ大丈夫!? 頭ぶつけた?
ハル
ハル
オレは丈夫じょうぶだからダイジョーブ!
あれ、ダジャレ?なんつって!
恋花
恋花
ぶはっ……あはは!
くだらないっ
ハル
ハル
恋花、やっと笑ったー!
なんか難しい顔してたから…
オレ、そっちの顔の方が好きだなぁ


ドクンと心臓が音を立てた。


ハルの目がすごく優しくて、改めて近すぎる距離にカラダが沸騰寸前だ。


男の子
おにーちゃん!! 
ご、ごめんなさい!!

男の子の声で彼はすっと私から離れた。

おかげでバクバクと忙しない心臓が平静を取り戻していく。
ハル
ハル
オレは大丈夫だ! ほら!

ハルの投げたフリスビーは綺麗な軌道で男の子の手元へと飛んでいった。
恋花
恋花
あ、あれ……?
恋花
恋花
(今、男の子と喋った?!……ってことは他の人にも見えてるの?!)

てっきり幻だと思っていたイケメンは、現実にここにいるらしい。

ぐるぐると混乱する思考を整理していると、真横から痛いほどの視線を感じる。
ハル
ハル
えいっ


むちゅっ!


恋花
恋花
へあ!?
ハル
ハル
恋花、今日ずっと別のこと考えてる?
恋花
恋花
い……今、キスっ
ハル
ハル
…別にアヤトにだってされてたでしょ
ほっぺにキス
恋花
恋花
な、なななななんでそれを?!
ハル
ハル
トウヤには自分から唇に触ってたくせに
恋花
恋花
そ、そんなことまで…!!
ハル
ハル
それに!


ハルはぐいっと私の手首を掴んで、今なお残る赤い跡を指先でなぞった。

恋花
恋花
ひゃ!!
ハル
ハル
ルイには、キスマークまでつけられて
オレ悔しい……


ムッとした顔のハルは、どうやら今までのイケメンたちに猛烈に嫉妬してるらしい。

まるで大型ワンコがしょげてるように見える。

彼の可愛い嫉妬に、なんだか胸がむず痒い…!
恋花
恋花
でも!
ど、どうしてみんなのこと知ってるの?
ハル
ハル
え、それは……
恋花
恋花
それは?

ハルは気まずそうな顔でふいっと目をそらした。
ハル
ハル
じゃあ、恋花の好きなタイプ教えて? そしたら教えてあげる
恋花
恋花
え!?
ハル
ハル
早く!
オレ、もうすぐ消えちゃうよ?
恋花
恋花
……う、でもタイプって


私は必死に考えた。
イケメンはみんな等しく好きだ。

でもそれは本当の好きじゃないって最近思い知ったばかり。


徐々に自分の眉間にシワが寄っていくのがわかる。



ハル
ハル
もしかして……まだ
失恋した相手のこと諦められてないの?
恋花
恋花
…!!

グサリと図星を刺されて言葉に詰まる。

恋花
恋花
なんで……
ハル
ハル
残念、時間切れだよ






           ガブッ!


恋花
恋花
痛い!!
ハル
ハル
あはは、マーキング!

キスマークの上にはクッキリと歯形が残っている。

そして少し寂しそうに笑ったハルは、目の前ですっと消えた。

恋花
恋花
ハル……?


公園の賑やかな声でやっと我に返る。

結局『イケMEN!』について何もつかめないまま。









??
っ…くそ! これもダメかよ
虚しさを紛らわすように空っぽのカップを拾い上げたとき、誰かの声が聞こえた気がした。