屋上 午後4時40分
ガチャ
……なんだ。いたんだ。
死なれたら困りますからね。
私は死なないよ。
じゃぁ戻りましょう。
「私」はね。
どういうこ……何を持ってるんですか。
ナイフだよ。
……それをどうするつもりですか。
あんたに刺すんだよ。
なぜですか。
先生が憎いからだよ!私は学生の頃、先生に何回も告白したのに断られた!それだけだったらよかったよ。けどそれだけじゃ無かった!次第に周りからはしつこい女とか、ストーカー野郎とか、いっぱい言われたんだよ!?それなのに先生が清々しい顔して生きてんのが憎いの!
ガチャ
先生……!
なんであんたが居んのよ……
……お前、何しに来た。とりあえずこっち来んな。死ぬぞ。
先生は自殺なんてしない。だから殺されるんだと思って……助けに来ました。
馬鹿だね〜私に勝てんの?ナイフ持ってんだよ?
今の私には怖いものなんてありません!だって今朝先生と言い合いしたことが1番怖かったから!本当に離れてしまうと思ったから!
佐倉、そっから動くなよ。
先生が私を沢山救ってくださいました。だから今度は私が先生を助けます!
(佐倉の方を向いて)お前は馬鹿だ。俺はお前が死ぬとせっかく手に入れた手足が無くなると思って助けた。
手足……?
自由に使える手足だ。誰にも取られたく無かった。なのにお前から離れていった。ならお前は俺を助ける義務は無い。こんな事に命を投げ出す必要も無い。
先生……嫌いです。そんな事考える先生は嫌いです。それに、私は先生の為に命投げ出すなんて思ってません。
嫌いでもいい。お前に死なれるよりはまだマシだ。だから___
先生!
ドサッ
何が……
はぁ……なんで庇うのよ……
え……佐倉……?
目の前には倒れて地面を血の海にしながら痛みに耐えている佐倉が居た
せ……んせ……大丈夫……です……か……?
佐倉!
ははは……ばいばい……
西滝さん、何をしてくれたんです……か……?
西滝さんは自分で刺した。地面は血の色に染まりつつあった
西滝さん……を……優先……して……ください……
でもお前の方が!
私は……大丈夫……ですから……
PHS「すいません、誰かストレッチャー2台持って屋上来てください。」
PHS「来生行きます。」
PHS「石原行きます。」
PHS「酒井も行きます。」
西滝さん少しお腹圧迫します。
うぅ……痛い……
幸い出血が少ないのですぐ止血出来そうです。
先生……ごめんなさい……
天堂どうし……た……
佐倉さん!ねぇ!佐倉さん!
さか……い……さん……?
勇者!あんた勇者なんだからね!まだ魔王攻略できてないでしょ!
こう……りゃく……で……すか……?
もう、喋らなくていいから!(泣)
来生、西滝さんの方初療室にお願い出来るか。
あぁ。佐倉ちゃんに着いてあげてろよ。
分かってる。
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