第13話

俺の言うことは絶対#3🖤💙
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2021/05/04 08:03
(🖤side)


手を繋いで家に帰ると



父「翔太!」



普段あまり家に帰ってこない翔太のお父様が家に帰って来ていた



パッと手を離し



『お父様!お疲れ様です、』



深々とお父様に頭を下げる
そんな俺をチラッと見て



父「翔太こっちに来い!」


翔「はい…、」



翔太は悲しい顔をしてゆっくりゆっくり
歩き部屋に入っていく



俺の前でパタンと閉まる扉



俺はこの部屋には入ることが出来ない、


何故なら俺はただの執事だから、




翔太は渡辺グループの1人息子でいつも1人だった、



初めて翔太に会った時
人前で泣くことも我儘を言うことも出来なかった翔太



何かあると誰にも言わず溜め込むような人だった、



でも、そんな翔太も段々俺の前だけは
泣けるようになったし、我儘も言うようになった



俺はそんな翔太が好きになった、




『はぁ…、』


翔太が部屋から出てきた時に悲しくならないように翔太が入った扉の前で翔太が出てくるのを待つ




翔「そんなの嫌だ!絶対嫌ッ!」



部屋の中から翔太の大きな声が聞こえて
部屋に入ろうとする体を必死で止める、



どうした?何があった?
翔太がこんなにも大きな声を出すなんて
本間に珍しくて…


何かあったに違いない、




耳をすませば翔太の泣き声が聞こえる



すぐに部屋に入ってギュッと抱きしめてあげたいのにそれが出来ない俺、



俺が渡辺グループよりも金持ちなら
翔太をもっと守ることが出来たんだろうか、




ガチャッ



『翔太様ッ!』


ゆっくり扉が開き下を向いて出てきた翔太



パタン



扉が閉まっと同士に目を真っ赤にし
涙を沢山溜めた翔太が俺を見る



翔「蓮ッ…、」


小さく今にも消えそうな声で俺を呼ぶ



『何かありましたか?』



嫌な予感がする、
どうして翔太は泣いてるの?
どして大きな声を出して怒ってたの?



聞きたいことは沢山あるけど、



『翔太様の部屋に行きましょうか…』



そう言うとコクんと頷く



何も話さず無言のまま俺たちは
翔太の部屋に向かった




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