(💙side)
最後の授業が終わり放課後になると
皆ぞろぞろ帰っていく
俺はクラス全員分のノートを持って
深澤先生が居る職員室に向かっていると
照「おい!翔太!」
『ん?何?』
照「これあげる、」
そう言われ手のひらに置かれた
苺の飴玉
『…何これ』
照「これ舐めて先生のところに行け!」
『は?何で?』
照「少しでも緊張解れっから!ほら!」
そう言って強引に飴を口に入れてくる
照「じゃ、俺帰るから」
『ん、ありがとう』
照に別れを告げて俺はまた職員室に
足を進める
照から貰った苺の飴を口の中に
転がしながらドキドキした心臓が
誰にも聞こえないようにと願う
コンコン
深「はい、」
扉をノックするとフワッとした
優しい声が聞こえ
『渡辺です、ノート持ってきました』
深「ん、入っていいよぉ」
ガラッ
扉を開くと椅子に座った先生が
俺を見てフワッと笑い手を振っていた
『…失礼します』
職員室に入り先生の机にノートを置くと
深「ありがとう!」
『いえ、』
緊張して上手く話せない俺に
深「ははっ、渡辺ってモテるんだな!」
『え?』
俺の後ろを見て笑う先生に
つられて振り返ると女子数人が
職員室の外からこちらを見ていた
『いや…あれは先生の…』
深「ん?俺の何?」
『先生を見てるんですよ、』
深「ははっ、渡辺って鈍感なんだな!」
そう言って俺の頭を撫でて
深「今日はありがとう!暗くなるから早く帰りな?」
『はい!』
そう言われ俺は学校を後にした
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。