第22話

俺の言うことは絶対2#1🖤💙
7,886
2021/05/10 06:38
(💙side)


俺は大学を卒業してすぐ
渡辺グループの跡取りになった



親父は会社を俺に渡してから
海外でのんびり暮らすと家を出た



『はぁ…、』



まだ社長になりたての俺には
頭がパンクしそうな程の仕事量



もう…訳わかんねぇよ、



デスクに向かって頭を抱えていると



ガチャッと部屋の扉が開いた



蓮「少し休んだら?」


心配そうに俺の顔を覗き込んでくる蓮



『でも…これ今日中に出さないと、』



親父がしてきた事に泥を塗ることは出来ない、
絶対に俺の代になっても続けないといけない、



分かってる、
分かってるけど…



心と体が追いつかない、



蓮「翔太?」



パニックになりながら必死でパソコンに
打ち込んでいると俺の頭を蓮が優しく撫でてくれる



蓮「こっち向いて?」


パソコンを打っている手を優しく握り
俺と目線が合うよにしゃがむ蓮



『…なんだよ、』


蓮「おいで…、」


手を広げ優しく微笑む蓮の腕の中に
吸い込まれるように入っていくと



蓮は俺をギュッと抱きしめ
優しく頭を撫でながら



蓮「翔太は良く頑張ってるよ」


蓮「そんなに焦らなくていい、」


蓮「翔太には俺が居るから、」


蓮「俺が翔太の代を守ってやる」



そう言われると さっきまでの不安な気持ちがスーと消えていき


重かった心も楽になる




ゆっくり俺から離れた蓮が俺の顔を見て



蓮「会わないうちに翔太は大人になったね、」


なんて寂しそうに笑ってた


『…蓮だって、大人になったよ、』



5年も会えなかったもん、
そら大人にもなるでしょ?



蓮「ふふっ、俺は変わってないよ」


『変わったよ、』



本当に変わった、
5年前も身長は高かったけど
もっと伸びてるし、


俺の親父を黙らす程の実力を持って帰ってきたんだもん、



蓮「俺は変わってない、」


蓮「今も昔も翔太だけしか見てないもん」



『はぁ!なんだよそれ、』



蓮は昔から急に恥ずかしい事を
何のためらいもなく口にする



蓮「ははっ、可愛いね。翔太は」


『か、可愛くねぇよ!』



俺の頭を撫でている手をパッと振り払いながら拗ねたフリをする、



これが俺の悪い癖、
嬉しいはずなのに素直に嬉しいと
受け入れることが出来ず


恥ずかしくなると冷たい態度を取ってしまう、






俺は蓮に比べると
まだまだ子供だ…、





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