(💙side)
照「翔太!おはよう!」
俺たちは3年生になった
『おはよう』
3年間 照とは同じクラスで
担任は…
阿「ほら〜!席に座って〜!」
阿部先生になった
あの日以来
深澤先生とは何も無く
ただの先生と生徒に戻った
クラスも違う分
話すのは本当に重要な時だけ、
『はぁ…』
"大人になるまで"って
まだ先のことで気が遠くなる…、
阿「渡辺〜!放課後ちょっといい?」
『え?あ、はい』
先生はそう言うと
ニコッと笑って教室から出ていく
照「お前…何かしたの?」
『は?してねぇよ、』
照と適当に過ごして一日が終わる
大人になるまでの我慢…、
頭では分かってるのに
深澤先生が廊下で女子生徒と仲良く
話しているのを見ると
やっぱり女の方がいいのかな、
何て嫌なことが頭の中に浮かんでくる
阿部先生のところに向かう為に
楽しそうにしている先生に背を向けて
職員室に向かう
コンコン
阿「はい、」
『渡辺です』
阿「入っていいよぉ」
ガラッ
扉を開けるとフワッと笑って
"待ってたよ"なんて言って手を振る先生
阿部先生は男子生徒に凄い人気らしい、
まぁ…男にしては…可愛いよな、
先生に近づき
『…俺何かしましたか?』
阿「ははっ、何もしてないよ」
阿「でも…」
阿部先生の手がスっと伸びてきて
俺の頬を包む
阿「もう少し…俺の授業も聞いてよね」
何てニコッと笑う
『あぁ、すいません…』
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。