第5話

素直になれたら#2💜💙
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2021/04/30 17:27
(💜side)


何故かインタビューが始まってから
翔太の様子がおかしい、



記者さんの一つ一つの質問に
ピクっと肩を震わせて目に涙まで
溜めて今にも零れ落ちそう



そんなに嫌な質問か?


なんて思いながら
少しでも翔太が笑ってくれればと思い
ニコニコ笑いながらインタビューをうける



インタビューが終わると何も言わず
下を向いて早足で去ろうとする翔太を
追いかけて誰も居ない楽屋に連れ込む




翔「…なんだよ、」


俺の顔を見ることはなく下を向く


『何かあった?』


何か傷ついたことがあるなら…
その傷は俺がぬぐってあげたいよ?



翔「何も、ない、」


ポタポタ床に落ちていく涙




じゃ、何で泣いてんだよ、



『不安になっちゃった?』


翔太の頬を両手で包み
俺と目が合うように顔を上げると



翔太の目からは
我慢していた涙が次から次へと流れ落ちる



翔「お、俺…ッ」


『うん、』



ゆっくりゆっくり話す翔太を
俺は優しい口調で聞いていく



翔「どうして、ふっかは…俺が好きなの?」


『えっ…、』



翔太からそんな質問が出るなんて
思ってもみなかった俺は少し固まる



『…翔太の好きなところなんて沢山あるよ?』



好きなところを言ったらキリが
無いほど出てくるよ、



恥ずかしくて素直になれないところも
俺の事が好きなくせに冷たくするところも
翔太の全部が好き



一つ一つ翔太の好きなところ言うと



だんだん顔を赤く染めて



翔「もう…それ以上言うな、」


下を向き小さくそう言った
そんな翔太が愛おしくてギュッと抱きしめ



『不安にさせちゃったね、ごめんな?』


頭を優しくなでると


翔「俺…甘えることできねぇよ?」


『え?』


翔「…インタビューで、」


あぁ、気にしてたのそれか…



"ふふっ"と俺が笑うと
翔太は不思議そうな顔をして俺を見つめる



『いいよ、俺は今の翔太が好きだから、』



そう言って翔太に優しいキスをした






ねぇ、翔太?
気づいてねぇの?



翔太はちゃんと甘えること出来てるよ、



だって寝る時
俺居ねぇと寝れねぇじゃん





.


〜END〜

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