第29話

俺の初恋は兄だった2#2💛💗
5,531
2021/05/15 18:50
(💗side)


あれから少し話して
男の人の名前は深澤 辰哉
ということが分かった



照は"ふっか"と呼んでいて
2人は俺の前で楽しそうに笑い合う




『じゃ…俺は帰ります、』



何故かここに居てはいけない気がして
俺が帰ろうとすると



深「えぇ!帰っちゃうの?」


深「ご飯だけでも食べていきなよぉ」


そう言って俺の腕を掴む深澤さん



照「何でお前が決めてんだよ!」


そんな深澤さんを見て照は笑って言うと


深「いいじゃん!俺も食って行くし大介くんも食って帰ったら?」



『いや、でも…、』



食べて帰れるなら食べて帰りたいけど、



どうしたらいいか分からずにいる俺に



照「予定何も無いなら食って帰ったら?」


照「どうせ母さん仕事で飯1人なんでしょ?」


『うん、』



久しぶりに照の優しい声に
心臓がドキドキして泣きそうになる



照が実家を出てから
俺は毎日1人で夜ご飯を食べていた



照「飯作るから待ってて!」


『うん、ありがとう』



そう言ってキッチンに行った照の背中を
眺めていると



深「照が言ってたとおりだ、」


俺の隣に座っていた深澤さんが
優しく微笑んで俺に言った


『え?』


深「可愛い弟が居るって言ってたよ?」


深「両親共働きだから1人残して来てしまって心配とも言ってたね」



俺の事が心配?
本間に照がそんなこと言ったの?



照「ふっか!余計なこと言わなくていいよ、」



呆れたようにそう言って
俺とふっかの前に料理を置く照



深「余計なことじゃねぇだろ!」


照「お前はこれ食って早く帰れ!」


深「はぁ!何だよ!」



喧嘩してるように見えて
どこか楽しそうで羨ましく思う



『いいな…』


深「え?」


『あっ、すいません』


口に出すつもりじゃ無かったのに
気づいたら口から出ていて
不思議そうに俺を見る



深「ははっ、何がいいの?」


『いや、何んでもないです』


そう言って照が作ってくれたご飯を
口に運んだ




深澤さんはいつも照と一緒に
この家でご飯を食べて
あんなに楽しそうに話してるんだろうか




いいな、
それ俺がしたかった



深澤さん
照のこと好きなのかな?





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