あたし達は、同じ学校へ通うことになった
偶然なのかは分からない
運命?
運命って言葉の方がキラキラしてて好きだな
そうして、新たな街。
新たな学校へ着いた
今日から、ここ城南学校へ通うことになった
初日から遅れてしまったあたしは6人からかなり怒られた……
そうだよね。ふつー
そんなこんなだけど、学校へは間に合った
今から、1時間目の授業が始まる
1時間目は、数学
この光景はどこに行っても同じだ
静まった教室の中、問題を解くペンの音
あたしは、このペンの音が大好きだ
だからいつも、プリントではなく音に集中している
そうして、少し汚れた教室の床
この空間が不思議な程大好きだ
だからあたしは、プリントと向き合わないから
放課後残ってしまう
人から何考えてんの?って言われてしまうほど
ずっと同じところを凝視している
そんなあたしの姿に見慣れている6人は
我に戻すどころかいつも、そんなあたしを見ては遊んでいる
でも今日は違った
本当に珍しく、自分の意思で気が付いた
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見たくないものを見てしまったから……
あたしは、紫耀と目が合った
だけど咄嗟に、逃げてしまった
また、いつも通り屋上へ逃げ込む
そして、そこがあたし達六人の溜まり場となる
誰かが、戸を開ける
ガチャガチャ
かいちゃんだった
海ちゃんにつられてなのか?
次から次へとやってくる
あー、いつもの風景
そこに、紫耀くんはいない……
だけど、この学校に引っ越してきてよくつるむようになった友達がきた
なんでわかったのか別として……
そう言っている舞の目線は、廉に向かっていた
もしかして……
廉のこと、すき?
あー、そうなんだ
そう約束をして、授業の中休み2人廊下で話した
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だと思った。
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この会話を誰かが見てた
誰だろう?
辺りを見回すと、紫耀くんがいたっ
スルーされた
なんで……?
誤解されちゃった……?
そうして、何故かあたしは紫耀くんから距離を置かれた
そんなことに耐えれたくて、紫耀くんに話しかけてわけを聞きに行った
だけど結果答えてくれなかった
その出来事を、6人に話してみることにした
そうしてあたし達は、紫耀くんの元へ向かった
だけど、何も結果言ってくれなかった
女心言えるはずないでしょ
そう行ってあたし達は帰った
その日、紫耀くんが廉へと電話していたみたいだ
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廉は、翌日あたしに自慢げに話してきた
なぜ自慢げなのかわかんないけど……
そうして、2人話しながら気づけば学校へ着いていた
また、紫耀くんが告られている。
あー、もう見なれは景色やな……
こんなにも見慣れているのに
まだもやもやしてる
紫耀くんの返事ひとことで、あの二人は……
あたしの出る幕はない
あなたの隣に全く知らない誰かが並ぶなんて……
いやだよ……
いつもの景色で、いつも眺めているはずの光景なのに
あたしは、感情任せにその場を立ち去ってしまった
紫耀くんが、今まで誰かからの告白で1度もおっけいをした事ないの分かっているのに
今更何逃げ出してんだろ
いつもいつも見てるのに
いつもなら、穏やかに『またか』で終わらせることできるのに……
今日のあたしは、自分でもわかるほどおかしかった……
その姿を隣で見てた廉は、心配そうな顔をしていた
隣にいたから見えていた
だけど、逃げてしまった。
逃げて尚更心配をかけてしまったあたしはバカだ
廉は、追いかけてくれた
逃げだちゃったから……
言葉の言い伝えがあると同じに、思いのすれ違いだってある
だけど、言葉より重いのすれ違いは苦しい……
だって、面と向かって言うには勇気がいるから
言葉には、訂正がきいても想いに訂正は効かない
訂正するにしても、とても難しい……
だから、なかなか効かないんだ
あたしは一体どんな顔をしていたのだろ?
廉があたしを見て、ふと言う
当然の言葉に、ビックリしてしまった
廉がそんなふうに思ってくれてたなんて……
だけど、とう答えればいいの……?
あたしの中で、時間が止まって見えた……
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。