第37話

皇帝と吊られた男:1
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2022/01/24 18:06
暫く体調不良により更新が出来ませんでした・・・、誠に申し訳ございません。
急いで書いたので短文+誤字があるかもしれませんがご容赦ください・・・。
そして、1000閲覧、10お気に入りありがとうございます。
これからも頑張りますので何卒、よろしくお願い致します。

「アヴドゥル・・・いよいよ、インドを横断するわけじゃが」
苦笑いを浮かべながらアヴドゥルに話を振るジョセフに、アヴドゥルは「なんですか?」とジョセフを見遣る。
「その・・・ちょいと心配なんじゃ。いや・・・敵スタンド使いの事は勿論だが・・・わしは実は、インドという国は初めてなんだ。インドという国は乞食とか泥棒ばかり居て、カレーばかり食べていて熱病かなんかにすぐにでもかかりそうなイメージがある」
「俺、カルチャーギャップで体調を崩さねェか心配だな」
ジョセフに続いてポルナレフもそんな事を言うものだから、承太郎は、どれだけ偏ったイメージ持ってんだ、なんて思う。
「フフフ、それは歪んだ情報です。心配ないです、みんな・・・素朴な国民のいい国です・・・。私が保証しますよ・・・。──さあ!カルカッタです、出発しましょう。」
そう頼もしく笑いながら列車から出て行くアヴドゥルに、承太郎は柔らかく微笑んだ。

「ねえ・・・・・・恵んでくれよォバクシーシ!」
「刺青彫らない?キレイね」
「毒消しいらない?お腹こわさないよ!」
「ハロー友達!ハシシ・マリワナ安いよ!品質ベリィグッドね」
「ホテル紹介するよ〜」
「歌歌うから聴いておくれ♪アア〜♪オ〜〜〜ンン〜〜トォ〜〜〜♪」
「カメラ・ウォッチ・ボールペン・ライター売る気ない?高く買うね」
「女の子紹介するよ!ベリィヤングねババアじゃないよ」
「ワーン・・・おかあちゃーん」
「どけどけェーッほらァ俺は卵を運んでるんだよ!どいたどいたァ」
「グー・・・グー・・・」
「アア〜〜〜♪オアア〜〜♪ソミカ〜〜〜〜♪イ〜ノォ〜〜♪」
「バクシーシバクシーシ!恵んで!」
「恵んでくれないと天国へいけないぞニイチャン!」
「恵みなよコラッ!」
(承太郎の中では)二十四年経とうとも変わらないこの街の様子に、承太郎は心の内で微笑ましいな、なんてクスリと笑いながらも、色々な人々の言葉を綺麗に躱す。
「うえぇ〜〜〜!牛のウンコを踏んずけちまった!チクショー・・・」
「僕はもう財布をスられてしまった・・・」
「歌上手いだろ!駄賃くれ」
眉を下げるポルナレフと花京院の事など意にも介さず、そんな事を言う歌歌いに、ポルナレフはそのまま、花京院は心の中で溜息を吐いた。
「た・・・たまらん雑踏だ!──おお!タクシーだ!あれに乗ろう・・・」
蝿に群がられ、人にも群がられと散々な様と化したジョセフにタクシーという光が差すが、
「オレだ!オレがドアを開けてチップを貰うんだ!」
「おれだおれだ!」
「おれが先だ!わーーーっ!」
タクシーに乗ろうとするジョセフにチップを貰うべく、駆け込み乗車をするかの如くに走りだし、タクシーのドアの前で、数人が争いをし始めた。
尚、その間にも、ジョースター一行への「駄賃くれ」コールは止まらない。
「旦那ダメダメ、この牛が昼寝から覚めてどくまでは出発出来ませんぜ。戒律で牛は神聖な生き物なんす」
「モオオォ〜〜」
車の通行さえも止める牛、そして恐ろしい程の人集り。
ジョセフは心の内で「oh・・・」と呟く。
「ねェねェ、もっと駄賃くれよォダチィィ〜ン」
「こら!ハナをつけるなハナを!」
「ア・・・アヴドゥル・・・これがインドか?」
「ね、いい国でしょう。これだからいいんですよ、これが!」
そう明るく笑い飛ばすアヴドゥルに、ジョセフらは凄いところだ、と思わざるを得なかった。

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