第34話

黄の節制:6
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2021/12/21 02:34
今更にはなりますが、800閲覧誠にありがとうございます。
これからも精進して参りますので、何卒よろしくお願い致します。

ケーブルカーから飛び出し、別の建物へとスタープラチナの手を借り、承太郎はふぅとひと息つく。
(さて・・・これからどうするか。)
前と同じ事をすれば確実に勝てるが、そうすると何の関係も無い一般人を巻き込む事になる。
それだけは避けたい。
だが・・・ラバーソールのスタンド・・・イエローテンパランスは、たとえ火で炙ろうとも、氷で凍らせようとも、全く無意味。
寧ろ、そうする事で飛び散り、一本の指だけでは済まなくなってしまう。
(どうにかして・・・奴を水中に叩き落とすしか無いな。)
顎に手を当て、目を閉じ、静かにこれからの事を考える。
その間、ラバーソールはというと・・・、
「ケェ!逃れたつもりか?・・・まあ、だが教えといてやる・・・耳クソをストローでスコスコ吸い取ってよおーく聞きな・・・俺のスタンド『黄の節制イエローテンパランス』に弱点は無い!お前は逃れたのではない!俺が追わなくてもいいだけなのさッ!このビチグソがァ!ガァハハハハハハーーッ!」
などと、自信満々といった様子で遠ざかっていった。
(・・・全く、五月蝿いったらないな。)
だが、これで漸くどうするか決められた。
(前に乗ったケーブルカー以外に乗り、奴を倒す。それしか無いな。)
そうすれば少なくともあの親子の犬が捕食される事は無くなるだろう。
・・・だが、未来は少し変わるやもしれないが。
「・・・それしか方法が無いのならば、致し方ない、か。」
承太郎が考えに浸っている今も尚動きを止めることの無いケーブルカーを見ながら、承太郎はそう呟いた。

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