第91話

全国大会 ー100m短距離走決勝③ー
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2018/11/23 12:58
仁
あ゛〰︎〰︎〰︎〰︎、いどぉ〜!ななぜ〜!おづがれざま〰︎〰︎〰︎〰︎
楓
ごめん、藤原。何言ってるか全然わかんない
凛
うん、本当に何言ってるかわかんない
仁
お゛ーい゛〰︎〰︎〰︎〰︎!
桜泉の観客席に戻ったら、藤原が号泣しながら出迎えてくれた。

さっきの凛みたいに、涙と鼻水で顔をグショグショに濡らしながら話すもんだから、本当に何言ってるかわかんない…(苦笑)
と、そんなことを思っているうちに、選手たちが入場してきた。

その瞬間、会場から大歓声があがった。
棗
おー、入場してきた
優月
優月
…んー?なんか、あの並び順すごくない?
楓
え、どんな風に並んでんの?
優月
優月
…んー、まあ、選手紹介で分かるから
優月はそう言って、ニコリと笑った。

私はかなり気になったが…後で分かるなら、黙っておこう。


そして、選手紹介が始まった。
アナウンス
出場者をご紹介します。第1レーン、池田 太賀くん。楠原高校
ワァァァァァァッ!


楠原高校初の決勝進出となった池田 太賀。そのおかげか、かなりの歓声が楠原の観客席からあがった。
棗
やっぱり、注目されてるねぇ。池田 太賀くん
楓
そりゃそうよ。開校初の全国出場のうえに決勝進出だもん。雑誌とかにも載るでしょうね
その間にも、続々と選手紹介が行われていく。
アナウンス
第2レーン、森田 龍くん。桜泉高校
ワァァァァァァッ!!


その名前がコールされた途端、桜泉の生徒たちは席を立って声を張り上げた。
仁
龍〰︎〰︎〰︎〰︎!お前は負けんなよ────!
優月
優月
森田ぁ!勝て────!!
凛
龍!!敵とれ────!
楓
宇根っちとワンツーフィニッシュしてこ────い!!
決勝だから、私たちの応援にも熱が入る。


観客の声援に応えている龍の動きがちょっとぎこちない。
…それほど、緊張しているのだろう。
アナウンス
第3レーン、更家 慎吾くん。大城高校
ワァァァァァァッ!


大城高校の横断幕が揺れに揺れまくった。

彼ら達にも熱が入っているのだろう。


…てか、それより…
楓
…優月が言っていたのはこれのことか
優月
優月
…そ。準決勝で戦った2人が隣レーンだってね
これは、龍も負けるわけにはいかないな。
アナウンス
第4レーン、高峰 新くん。金本高校
ワァァァァァァッ!


大歓声があがると同時に、私の体がピクリと動いた。
楓
高峰 新…なんか、ムカつくことを言っていたやつか
凛
んー…ま、そうだね(苦笑)
私と凛はアイコンタクトをとって話した。
アナウンス
第5レーン、宇根 颯斗くん。桜泉高校
ワァァァァァァッ!!


再び、桜泉の観客席から大歓声があがった。
仁
颯斗────!ファイトぉぉ!
凛
宇根っちー!!負けたらぶっとばーす!!
優月
優月
宇根ぇ!負けんじゃねーぞ!
楓
龍とワンツーフィニッシュとってこ────い!!
龍の時と同じように応援する。

ってか、これも…
楓
…この2人も因縁の対決ね
優月
優月
そうよ。きっと今頃、何でこいつの隣なんだとか思ってるんじゃないかしら
凛
そーかもw
そんな話をしているうちに、次の選手の紹介が始まった。
アナウンス
第6レーン、碓氷 勇哉くん。南月野高校
ワァァァァァァァァッ!!


南月野のデカすぎる声援をよそに、私たち桜泉の生徒はあることに驚いていた。
楓
…これもまた、因縁の対決ね
優月
優月
うん。準決で戦った2人が隣。そして高峰とも隣。宇根の野郎、相当燃えているでしょうね
優月はクスクス笑いながらそう言った。

運がいいにもほどがある…いや、悪いのか?
アナウンス
第7レーン、松浦 哲平くん。金本高校
ワァァァァァァッ!


金本高の観客席から再び歓声がおこる。

松浦くんが“ワンツーフィニッシュは俺らがもらうんで”的なことを言っていたから、要注意だ。
アナウンス
第8レーン、柊 晃誠くん。長篠高校。以上、8名の出場です
仁
よっしゃ!いよいよだぞ!
凛
緊張してきた〰︎〰︎〰︎〰︎…
楓
あの2人なら…大丈夫…なはず…よね
私たちの鼓動がどんどん速くなっていく…
────お願い…私たちの敵を…とってきて…!!










いよいよ、始まる────



















スターター
On your marks────
スターター
Set────




パァンッ!!
その合図とともに、選手たちが一斉に走り出した────!

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