第42話

反省
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2018/09/26 08:08
資料整理をやっていたおかげで部活に参加できたのはほんの数分だった。

そして、あっという間にミーティングの時間となってしまった。



真田先生が集合をかけ、陸上部部員たちは先生の元へ駆け寄る。


部長の藤原と雅が前へ出た。
雅
…これからミーティングを始めます
仁
気をつけー、礼!
陸上部 部員
お願いしまーす
皆一斉に礼をする。
雅
今日の振り返りは…
壮真
壮真
…あ、それなら颯斗と伊藤がいいと思う
悠真
悠真
あ、俺もそう思った!
楓
(はぁ!?)
声に出したら明らかに当たりそうだったので私は心の中で叫んだ。
颯斗
颯斗
…今日の振り返りって言っても、俺ら部活参加してないから振り返りできないんだけど
楓
ごもっとも!!
私たちは思いっきり山城兄弟を睨みつけた。
壮真、悠真
そりゃ、なんでこんなことになって遅れてしまったのか反省すればいいんじゃね?
…一番痛いところをハモらせないで欲しいんだけど…
雅
じゃあ宇根くんと伊藤さん、お願いしようかな?
楓
………っでっ……!!
私は思わず反論しようとしたが、雅に背筋が凍りつきそうなほど睨まれてしまったため、口を閉ざしてしまった。

宇根っちにはニッコニコしてんのに…
楓
…ワカリマシター
雅
真面目にやって
楓
…はい
楓
…えっとー、私と宇根クンは今朝、先生の話を全く聞かずに話してしまっていたため、先生に叱られ、放課後資料室の整理を手伝わされる羽目になりました
“ほら宇根っちも”と私が宇根っちの脇腹を突っつくと顔を歪めながらも宇根っちは話してくれた。
颯斗
颯斗
…資料整理も真面目にやらなかったため、真田先生に怒られこんなにも時間がかかってしまいました
楓、颯斗
皆さんに迷惑をかけてしまってスミマセンでしたー
私と宇根っちは手短に済ませるとすごすごと自分たちがいた場所まで戻っていった。
雅
…はい、全国大会まで約1週間半となっています。皆さんもこのようなことにならないように気を引き締めていきましょう
陸上部 部員
はい!
…ああ…後輩たちの真面目な元気な声が、私の心の傷に深く深くめり込んでくるよ…

今度こそ真面目に聞かないとな…

私はそう思って、真田先生の話を真面目に聞くのであった。

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