第28話

選手紹介
206
2018/08/27 10:28
凛
…どっ、どうしたの…その顔…
楓
…雷落ちた
凛
あー、あの馬鹿で阿保でなんとかかんとかーってやつかw
凛は“ドンマイ”とでも言うように、私の肩にポンと手を置いた。
凛
ま、切り替えていきましょw
楓
笑うなよ…
優月
優月
傷がつかなかっただけでいいじゃない(苦笑)
凛
その通りよー( ̄∇ ̄)
楓
…笑うな
私は同じ言葉を繰り返した。

たまに…本当に、この性格が嫌になる。

直そうとは思うけど…ダメなんだよなぁ…
楓
よし!切り替え!!
私はそう言いながらパンッと、頰を叩いた。
……いきなり出たその行動に2人を驚かせてしまったのだった。



















真田先生
400mリレー始めるぞー!
どうやら、レースの線が引き終わったらしい。

400mリレーのメンバー8人はそれぞれの位置に走っていった。


…ちなみに言うと、私たちの学校のグラウンドはぴったり400mある。

…すごいよね…陸上競技場並みに広い…(苦笑)

私、入学したての頃はびっくりしたもん…

だから陸上部員にとってはうってつけのグラウンド。

練習会とかでもよくうちの学校が使われる。

敷地面積が大きいことで有名な学校なのだ。
…まあ、こんなことは置いておいて。
アンカーということで私の隣のレーンには宇根っちがいる。

余裕の表情で足首や手首をぐるぐる回していた。

私はそれを横目に見ながらメンバーの表情を伺うことにした。
まず、第1走者は男子が龍、女子が雅。

と、ここで選手達の特徴を説明していきましょう!
颯斗
颯斗
…でた、お前の解説者モード
楓
…ほっとけ。まだ時間があるからいいじゃないか。見ている方々に詳しく説明したほうがいいだろう?
颯斗
颯斗
…言ってることが意味わかんないんだけど
まあ、宇根っちは放っておこう。

気を取り直して…第1走者の特徴を説明しよう。

森田 龍はスタートダッシュが全国トップクラスと言われるほど瞬発力が良い。
まあ、龍の武器をあげるとしたらそこだね。

菊池 雅もスタートダッシュはかなり磨き上げられている。
でも、雅の武器はそれだけではない。前半の加速の仕方が絶妙にうまい。

ま、2人の武器はそんなもんね。
続いて、第2走者の壮真と優月。

山城兄弟の兄の山城 壮真は得意種目が走り幅跳びということもあり、瞬発力と跳躍力が人間離れしている。

綿谷 優月もハードル走を得意としているから瞬発力が尋常ではないね。
それと、冷静かつクールな性格の彼女だったら、スタートの雅がどの順位についても一瞬の判断でどうすれば良いか考えてくれるはず。

第2走者の武器はこんな感じ。
颯斗
颯斗
…長いな
楓
ちょっと、口挟まないでよ
颯斗
颯斗
……誰かに見られてるってこと自覚しといたほうがいいんじゃないのか?
楓
だから、ほっとけって
余計な邪魔が入ったけど…次!

第3走者は悠真と凛。

山城兄弟の弟、山城 悠真も兄と同様に瞬発力と跳躍力が人間離れしている。まあ、得意種目の走り高跳びのおかげかな?

七瀬 凛はご存知の通り、陸上部の中でもトップクラスの脚力を持っている。
エンジンをかけたら止まらない…w
それから、気づかない人も多いけど凛は後半が一番強い。
100m走った時みたいに油断さえしなければ確実に優勝争いに食い込める実力者だ。

第3走者はこんな感じで…
第4走者はって言ったほうがいいですかね?
颯斗
颯斗
…一応話しておけば
楓
…分かりましたー…
ということで、第4走者は宇根っちと私、楓。

宇根 颯斗は後半の伸びがいちばんいいね。無駄がない、なめらかな走りが特徴ですね〜。

はい、そして私、伊藤 楓も後半の伸びがいちばんいいと言われております。

第4走者は以上。
颯斗
颯斗
…短っ
楓
いいでしょ、別に
楓
長ったらしいとウザがられちゃうから
颯斗
颯斗
…了解しましたー
さて、以上にて伊藤 楓による選手紹介を終わりにする。

長く付き合っていただき、ありがとうございましたー。
楓
さてさて、長くなってしまったな
颯斗
颯斗
そろそろ始まるか
真田先生がピストルを構えているのが見えた。

















始まる────────













楓
…宇根っち
颯斗
颯斗
…あ?
楓
……負けないよ
颯斗
颯斗
…こちらこそ──
真田先生
セット────








パァンッ!












──龍と雅が一斉にスタートを切った。

プリ小説オーディオドラマ