ワァァァァァァッ!!
そのアナウンスにより、会場のボルテージが一気に上がった。
2日目だというのに、後の3日はどうなるのだろうか…
私は桜泉の観客席に座りながらその会場の雰囲気に入り浸っていた。
ああああああああああっ!!
そーだ、すっかり忘れてた!!
昨日、棗兄に盗まれたんだった!!
私が優月に注意されていたその時────
昨日と同様、桜泉の観客席の手すりにもたれかかってクソ兄貴…ゴホン…えー、棗兄が現れた。
私は厳しく棗兄を問い詰めたが、返ってきたのは意外な言葉だった。
か────っ!こいつ、とぼける気かっ!
棗兄はそう言うと、「舞ー、美緒ー、虎ー」と近くにいた舞さんたちを呼んだ。
棗兄は“それ見ろ”とでも言うかなように、私の方を見た。
予選の招集時間の11:00までに、なんとしても見つけ出さなければ────
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。