楓side
真田先生から「準決勝は天野を出す」って言われた時は、正直、頭の中が真っ白になった。
…まあ、当然のことなんだけどね。
階段から落ちて、あろうことか足を挫いて。
出たいって言ったって、先生と風華からは「大人しく安静に」って言われるだけだし。
決意のこもった目を向ける芹奈を見て、私はただただ笑うしかなかった。
凛はガシッと私の肩を掴みながら、まっすぐ見つめた。
私がぎこちなく笑うと、凛は不満気な顔をしながらも、私の肩から手を離してくれた。
ニカッと笑う芹奈の肩をポンポン叩きながら、私は席からよろめきながら立ち上がった。
倒れかけようとしたところで、宇根っちが私の背中を支えてくれた。
その途端、私の頰がボッと赤くなった。
宇根っちは戸惑いながらも手を離してくれた。
…宇根っちの笑顔を見てから、私本っ当にどうかしてる。
こんな過剰反応見せて…あんなの、何でもないんだってば!
私はその場にいるのが気まずくなって、トイレと偽ってその場を離れた。
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メインスタンドへ続く階段の前で、私は一度立ち止まった。
そして、壁にもたれかかってズルズルとしゃがみ込む。
今更になって、妬み、屈辱感、焦燥感など、様々な感情が湧き上がってきたのだ。
…なんで私が出られないんだよ…
…なんで私が狙われたんだよ…
…なんで私がこんな目に合ってんだよ…
…なんで…なんで……なんで…!!
ドンッッッ!!!!
感情に任せ、手の痛みなんて気にせずに壁を叩いた。
私は血が出るんじゃないかと思うほど、唇を強く噛み締めたのだった。
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おはようございます☀️こんにちは🌞こんばんは🌙
お久しぶりです。さくらもちです。
更新がすっっご────────────く遅くなってしまい、大変申し訳ございません!!💦🙇しかも、話がいつにもまして短い…
プリコンの作品もとっくに完結したので、すぐに戻れると思ったのですが…学校の面倒な課題と戦っておりました…
…はい、言い訳です…
本っ当にごめんなさい!!
多分、普通のペースに戻れると思いますので、今後とも『君と私のバトンパス。』をよろしくお願いします🙇
さくらもち
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。