突如、龍が話しだした。
私は軽く流した。
怪我させられようが、何だろうが、私は優勝を掴み取る!それだけなんだから!
思わぬみんなの反応に、私は肩透かしを食った。
そこから、『伊藤 楓スパイク盗難事件及び過失傷害事件』と、何とも大袈裟な長ったらしい名前がついた事件の犯人探しが始まった。
…ダメだこりゃ…後輩までノリノリだよ…
ピシャリと言われて私は言い返そうにも言い返せなくなった。
そこで凛の口調と態度が一気に変わった。
なぜだか龍が半ば押されている…
宇根っちと同じような漆黒のオーラを漂わせる凛。
そんな凛を見て蹴落とされている龍。
そんな2人を呆れて見ていたら宇根っちが話しかけてきた。
宇根っちはそう言うなり、俯いてしまった。
相変わらず、何を考えているか全くわからない。
私は不思議に思いながらも、漆黒のオーラを纏い続ける凛をなだめることにした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。