「そうそう、これやっと出来たの」
お姉さんは僕に色んな色の何かを、
首に付けてくれた。
「だから作ってみたの〜! どうかな??」
すごく可愛いよ、お姉さん!
そういう意味も込めて僕は鳴く。
「テテ」
そう言ってお姉さんは行ってしまった。
あ、僕の名前
てて
お姉さんが好きな あいどる ?
そこからつけたんだって。
それにしても、この首のきらきら。
かわいい。
───────────
お姉さんが帰ってきた。
だけど………今日はなんだか元気がない。
ソファに飛び込んだお姉さんが、僕を呼ぶんだ。
僕を抱きしめながら、真っ黒のテレビを見つめてる。
「お腹空いたよね?」
そう言ってご飯の準備をしてくれた。
そして夜、たくさん雨が降った。
お姉さんと出会った時みたい。
眠るお姉さんの布団から出てみると、
寝ているのに泣いているようで。
誰なんだろう……………?
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。