第33話

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2021/05/15 22:09



そんなある日悲劇はやってきた。










私が6歳の誕生日に










お兄ちゃんが誕生日プレゼントをくれた。











オシャレな服やお菓子、










手紙まで貰ってすごく嬉しかった。










その日は小学校の入学式もあって










新しい制服を着てピカピカのランドセルも背負って









学校へと向かった。










入学式が終わって家に帰る道の横断歩道で










黄色い帽子を落としてしまった。










それを拾おうとした時










右側から何か大きい音と共に大きい車が










猛スピードで走ってきた。










私は身動きもできず立ち止まっていた。










すると、お兄ちゃんが私を外側へとはじき飛ばした。









私は何があったのかわからなかった。









でも、後ろを見たらすぐにわかった。










お兄ちゃんは自分を犠牲にして










私を守ってくれたんだって。










そこにはお兄ちゃんの姿はなかったけど










赤い何かが道路に染まっていた。










もう1人のお兄ちゃんが私を抱き抱えて泣いていた。









「お兄ちゃん、どうして泣いてるの?」





「お兄ちゃんはあの車の奥にいるよ?」








そう言ったけど、お兄ちゃんは










振り返ることなくまっすぐ前を向いていた。

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