須藤って言う奴はこれまた変なやつで、
基本的に何言っても無愛想で喋らない。
だから人付き合いが嫌いって誤解されがちなんだけど。
その正体はただの人見知り……。
まぁ今となっては、俺以外の人とは緊張して喋れないみたいで、本人も別にそれでもいいって感じなのだけれど。
ゲームする時だけ反射的にめっちゃ大きい声出んのが。なんかいつもとのギャップで堪んないww
あれ知ってんの俺だけなのか。
そういい透明な容器に入れられた水とコップをお盆に載せ、テーブルに置いた。
喉が渇いていたのか須藤はコップに満杯まで水を注ぎ飲み干した。
普通半分くらいまで入れて飲むだろとかいうくそしょぼい事を愉快に感じてしまう俺は、多分須藤って人間が大好きなんだと思う(※友達として)
須藤の目が尋常じゃないくらい見開いた。
須藤が俺にもたれかかってくる。
急なもたれかかりに驚いた。
友達ならしてもおかしくないかもだが、女子じゃなくて男子だし、そういうことするキャラではない。
それになんか……息が荒い?
飲むのは怖いので、俺は水(?)に鼻をちかづけ匂いを嗅いでみた。
もしかしてこれ…………
なんか親父がよく飲んでるっ、
透明な容器に入ってて水っぽくて氷まで入ってるしラベルも表示も何も無いのに酒なやつーーーーー!!!なのかーーー?!?!(※皆さん共感してくれるよね?)
ちょっと待て。
えと、今俺は水を取りに行こうとして、だけど須藤に肩を掴まれて。んでもって……
つい自分の唇に手を当てた。
え、何?須藤が俺に……き、き……っ、
そう言い強めに須藤を跳ね除けて走って水道に向かう。
やばいやばいやばいやばい!!!
酒だから自我はねーのか?あれか、キス魔になるみたいな……。べ、別に他意はないよな?なっ??
つーか俺あれ初めて……っ、どーしてくれるんだ!!
いやでも、
……介抱くらいしてあげないとな…。
くそー……何してくれてんだーー。
♡♡♡
笑っていいのか照れていいのかもよくわからず困惑する。
こいつっ、真顔でこういうこと言うからツボなんだよ!!
須藤の力で押し倒される。須藤が本気を出せば俺の力は赤子の反抗のようなものだ。
須藤が体の色んなところにキスをしてきた。
なんでこいつは……ッ
男の!どこが!えろいんだよ!!
お前には酒によって俺が女にでも見えてんのか!!
首筋を強く吸われる。なにこれ、キスマーク?……あーくそ、俺まで頭ボーとしてきたし…
………………あぁ、もう……
♡♡♡
あれから、1日経ったわけだけど……
俺は、確認するだけだ!
須藤が、俺の事を好きとか言ってたのが……本当かどうか。
「…絶対する!」
くそがぁぁぁぁ!!!!
記憶失うタイプの酔い方すんなあああ!!
忘れるならあんなことすんなあああ!!!
悩んだと……思って………………/////
はー、全部どうでもよくなってきた。
俺はそういいバックを持ち上げ、玄関に向かい……
手首、掴まれた……?
ゲームをやってる時みたいな、馬鹿でかい声。
あれ?もしかして須藤って……
ただ告白するのが恥ずかしいだけ??
♡♡♡
「それ…ッ!!」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。