🐹『あなたココ!』
ジンは砂浜を駆け出し私の方を振り返った。
どうやらジンは私に海を見せたかったみたいだ。
海をバックに立つジンはとても綺麗で、私はジンにカメラを向けた。
🐹『ヤーちゃんと撮るっていってよ!変な顔じゃない?』
「大丈夫。ジンはいつでも格好いいよ。」
するとジンは耳まで真っ赤になって、
🐹『ヤー照れるな///』
手で顔を覆った。
ホントは照れてる姿もカメラに収めたかったけど、そっとカメラを鞄にしまった。
そしてジンの姿を目にしっかり焼き付けた。
だって形に残るものは出来るだけ残したくないから。
優しいジンを悲しませるものは残したくないの。
だから私は、その時が来たら私がジンから離れなくちゃ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!