翌日私は退院した。
ジンがこれから私に何か遭ったとき傍にいられないのはやだからって、私達は同居することになった。
前までの私なら嬉しかっただろうけど、今の私は素直に喜ぶことが出来なかった。
あれだけ望んでいた同居だったのにな。たった数日でここまで自分が変わるなんて怖かった。
「ジン、これから宜しくね。」
🐹『何でそんな他人行儀なのさー』
「いや、なんかソワソワしちゃってさ。」
私の会話を遮るかの様にインターホンがなった。
『ジン?誰か来たんじゃない?』
🐹『うっうん。』
明らかに動揺している。そんな間にもピンポンピンポンピンポン。
ズッとインターホンは鳴り続けた。
このチャイムの音が私達の関係が壊れていく合図だったのかもしれない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。