意識が戻ったことをカトクで伝えると、秒で皆の既読がついた。
お医者さんによると皆毎日来てくれていたらしい。
ガラガラガラ、扉が開いた。
🐹『あなた!(泣』
やって来たのはジンで、私をギュッと抱きしめた。
「迷惑かけてゴメンネ。」
ジンにはその声が聞こえていないようで、
🐹『ゴメンネ。あなたゴメン。』
涙をポロポロ流しながら繰り返していた。
ジンが私の前で泣くのは普段は無いから正直困惑した。
でも、ジンの涙は綺麗で見入ってしまう程だった。
何が”ゴメン”なのか私には分からなかった。
いや、分かりたくなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!