第5話

3話 病状
339
2019/03/21 08:04
杏樹柚・山澤
(内科に行き、内科の前の椅子に座る)

杏樹柚
「山澤さん?」

山澤(こっちを向く)
「望月先生。先生も健康診断で引っ掛かったんですよね?」

杏樹柚
「はい…。まぁ、いつもの事なので…」

山澤
「実は私も…」

杏樹柚
「どこか悪いんですか?」

山澤
「ううん。どこか悪いというよりか、貧血。」

杏樹柚
「そうだったんですか…。私もです。いつも引っ掛かっていて…」

山澤
「そうだったの…。貧血って大変よね?」

杏樹柚
「ですよね…
立ちくらみとか目眩とか…」

山澤((;´Д`)´д`);´Д`)´д`)ウンウン)
「お互い何もないと良いですね。」

杏樹柚
「そうですね。」

内科の看護師
「山澤さーん。山澤佳麻莉さーん。」
山澤(中に入る)

杏樹柚
「…」

~15分後~
山澤(出てくる)
「望月先生、また後でね」

杏樹柚
「はい!」



しばらくして…
内科の看護師
「望月さーん。望月杏樹柚さーん。」

杏樹柚
「失礼します」
中に入ると…










「 Σ ゚Д゚≡( /)/エェッ!
どうしてこんなところに速水先生が?!」

速水
「どうしてって…
心配だったからに決まってるだろ!」

ここからは麗奈に戻ります。

麗奈
「えっ?」

星野
「僕が呼んだんだよ。」

麗奈
「星野先生が?…」

星野
「そうだよ」

速水
「そういうことだ」

麗奈
「速水先生まで来るということは何かあるって事ですよね?」

星野
「その通りだよ。
実は健康診断の結果があんまり良くなくてね…。まぁ麗奈ちゃんも医者だから、結果を見て分かると思うけど…」

麗奈
「やっぱりそうでしたか…。」

星野
「ああ…」

麗奈
「…」


しばらく沈黙が続く


速水
「神倉、唐突で申し訳ないが今から入院しろ。」

麗奈
「ちょっと待ってください……」

速水
「結果を見る限りでは、かなり危険だ。何が起こってもおかしくない状況にある。この意味はお前なら分かるよな?」

麗奈
「命の危機って事ですよね?」

速水
「そうだ」

麗奈
「速水先生の言うことは分かります。ですが、今はいくら先生の言うことでも、それは出来ません。」

速水
「出来ませんって…
お前は今の自分の体の状態を分かってるのか?!」

麗奈
「分かっています。 でも、今は私にとって大切なチャンスなんです!!」

速水
「自分の体と仕事どっちが大事なんだ!」

星野
「まぁまぁ二人とも。
麗奈ちゃんの気持ちは良く分かった。本当は入院して欲しいところだけど…。条件付きなら救命で働いても良いよ。」

麗奈
「本当ですか?(*^ω^)」

星野
「本当だよ。ただし"週一回の検査に必ず来る・ 体調が悪い時は休む。" この2つが出来るならの話だけどね」

麗奈
「分かりました!!」

速水
「星野、本当に良いのか?」

星野
「麗奈の希望だ。それに彼女も医者だ。
自分の体の事は 誰よりも分かってるはずだよ。」

速水
「…」

星野
「とりあえず麗奈ちゃん、これから検査しに行こうか。その後、詳しい説明するから。」

麗奈
「分かりました。」

星野
「僕も一応ついて行くけど、検査は速水先生がしてくれるからね。」

麗奈
「分かりました。」

星野
「速水先生、頼んだよ。」

速水
「ああ。ほら、行くぞ。」

麗奈( ̄ヘ ̄メ)ムッ(ついていく)








麗奈・速水・星野(検査室に行く)



速水
「そこに横になってくれ」

麗奈(横になる)

速水
「これから検査を始める」
(検査する)

星野(見守っている)

麗奈
「…」

しばらくして…
速水
「これは…」

麗奈
「どうしたんですか?速水先生。」

速水
「…」

星野
「…」

~検査終了~
麗奈・速水・星野(診察室に戻る)

速水
「検査結果だが…… かなり深刻だ。」

麗奈
「やっぱり」

速水
「気付いていたのか?」

麗奈
「一応、医者なので。それに、さっき先生の表情を見てなんとなく…。 あと最近、薬飲んでも効いてなかったり、発作の回数が増えて酷くなったりしてたから…
だから良くないんだなぁって。」

速水
「どうしてもっと早く言わなかった。
それはいつからだ?」

麗奈
「1ヶ月位前からです。」

速水
「1ヶ月…」

麗奈
「だって…。言ったら即入院って言われるのが分かってたから…。それが嫌で…」

速水
「そんなに仕事の方が大事なのか?」

麗奈
「当たり前じゃないですか!」

星野
「まぁまぁ二人とも落ち着こう。
麗奈ちゃん、とりあえず点滴しておこうか」

麗奈
「分かりました」

速水
「…」
(医局に戻る)






















麗奈(点滴される)

星野
「麗奈ちゃん」

麗奈
「はい…」

星野
「最近、ちゃんと食べてる?」

麗奈
「ほとんど食べられてないです。 食べられてないというか…食欲がなくて…酷い時には吐いてしまいます…」

星野
「やっぱり。最近痩せたなって思ってたんだ。どおりで、心機能が弱って脈拍が弱いはずだよ。」

麗奈
「えっ?」

星野
「貧血とか酷かったでしょ?」

麗奈
「(..)コク」

星野
「よくそんな状態で…」

麗奈
「ごめんなさい。」

星野
「そんなに自分を責めないで。あんまり食べられないようだったら言ってね。また別の方法を考えるから。」

麗奈
「はい」

…………

麗奈
「先生?」

星野
「どうかした?」

麗奈
「"気持ちに体が 追い付けなくなってきている。限界が近い。" って事はよく分かっています。でも、ここで諦めたら 私の夢が終わってしまうんです…」

星野
「…」

麗奈
「やっと掴んだ夢を簡単に諦めたくない…。ここで諦める訳にはいかないんです。だからお願いです。
私が仕事する事を止めないでください」

星野
「麗奈ちゃん…。
分かったよ、もう止めたりはしない。
ただ…。もしもの事があったら、その時には、 もうお願いは聞けなくなる。
それは分かってる?」

麗奈
「分かってます!」

星野
「そうか。なら、そのお願いを聞いてあげよう。
さっき診察の前に言ったけど、週一回の検査に必ず来ること。もしも体調が良くない時は無理しないこと
この2つを絶対守ること。それからもう1つ追加。
少しでも体調が悪かったら、ここに来ること。それが条件だよ。」

麗奈
「分かりました。」

星野
「良い子だ。
今日はここまで、点滴が終わったら戻って良いよ。」

麗奈
「あの、救命のスタッフ全員には…」

星野
「何も言わないでくださいって事かな?」

麗奈
「そうです。」

星野
「その事なんだけど、黙っておくことは出来ないかな。」

麗奈
「どうしてですか?」

星野
「それくらい、麗奈ちゃんの病状は良くないんだ。もしもの時の為に知っておいてもらわないと…」

麗奈
「…」

星野
「…」

麗奈
「分かりました。
でも自分の口から言います。
だから星野先生からあえて何も言わないでください。」

星野
「分かった。」

麗奈
「…」

星野
「じゃあまたね」(出ていく)

麗奈「ありがとうございました。」

麗奈
「はぁ…」

星野(眞鍋に連絡する)
「もしもし、内科の星野です。」

眞鍋「もしもし、星野か。どうした?」

星野「今、少し良いか?」

眞鍋
「ああ。」

星野
「望月先生の事で話が。」

眞鍋
「望月の事?そういえば、さっきから見かけないな。
用事を頼もうと思っていたんだが。」

星野
「彼女なら今、内科で点滴してるよ」

眞鍋
「点滴?どういうことだ。」

星野
「今、屋上に来られるか?」

眞鍋
「ああ。」

星野
「なら、屋上に来て欲しい。詳しい話は屋上で話す。」

眞鍋
「分かった」

(屋上に行く)

眞鍋
「お前が呼び出しをするなんて珍しいな。」

星野
「そうだね」

眞鍋
「それで望月の事って何だ?」

星野
「健康診断の事で彼女に内科に来るようにって連絡したのは知ってると思うんだ」

眞鍋
「ああ。その事ならきちんと望月に話したぞ?」

星野
「うん。きちんと来てくれたよ。」

眞鍋
「だったら…」

星野
「彼女に再検査を受けてもらったんだ。そしたら結果がかなり良くなくてね…」

眞鍋
「望月はどこか悪いのか?」

星野
「心臓が良くなくてね…。まぁ心臓だけじゃないんだけど…。彼女には正直このまま救命で働き続けるのは厳しいっていう事と本当は入院して欲しいという事を伝えたんだ。」

眞鍋
「そんなに良くないのか…」

星野
「うん。だけど彼女はそれを拒んだよ。自分の夢が諦められないからって」

眞鍋
「自分の夢か…」

星野
「彼女の事だから、自分の口から説明するって言ってたけど言わないと思った。だから、僕の口から全て話そうと思ってここに君を呼び出したんだ。」

眞鍋
「なるほどな」

星野
「本当に彼女は危険な状態だ。
だからこそ眞鍋に全てを伝えないといけないと思ったんだ。」

眞鍋
「それで俺はどうすれば良いんだ?」

星野
「どうするって…」

眞鍋
「望月を救命から追い出せば良いのか?
それとも医者を辞めるように言えば良いのか?」

星野
「追い出すとか辞めさせるとかそういう事じゃなくて、彼女の様子を見ておいて欲しいんだ。」

眞鍋
「それはどうしてだ?」

星野
「彼女の事だ、内科にきても何も話さないと思う。」

眞鍋
「…」

星野
「だから彼女の様子を見ていておかしいと感じた事があったら僕に連絡して欲しい。」

眞鍋
「ようは、監視役って事か」

星野
「監視役って…。まぁ良いや。
それから…
僕が君に全てを話したっていうのは彼女には黙っていて欲しい。」

眞鍋
「救命のスタッフには言うなって口止めでもされてるのか?」

星野
「(..)コク」

眞鍋
「分かったよ。何も言わない。だが言わなければいけなくなった時には言わせてもらう。それで良いか?」

星野
「うん。望月先生の事をよろしく頼みます。」
(m(_ _)mペコ)
「それから後でカルテを送っておくよ。」

眞鍋
「ああ。」
(医局に戻る)



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