スタッフステーション
数十分、あなたと緋山はNICUから帰ってきた。
夕ご飯を食べ終わり、その夜は仮眠室で2人並んで寝た。
22時頃
あなたが熟睡してそっと藍沢はあなたを起こさないように仮眠室を出て、白石のいるICUに行った。
スタッフステーションの前を藍沢が通りかかり
白石のベットの横に座り
そこに緋山が来た。緋山は白石の電子カルテに書いてある"自発呼吸なし・瞳孔散大・対光反射なしという文をじっと見つめていた。
そして翌日になり
白石のベット脇にはあなたと藍沢がいる
藍沢は昨夜、緋山から言われたことが脳裏によみがえった。
すると、藍沢は膝を床につきあなたの目線に合わせた。
藍沢はあなたを抱きしめた。
ICUの中だったので、迷惑をかけると思い藍沢はあなたを抱いてICUを出た。
その後もずっとあなたは藍沢に抱かれ泣いていた。
そう言って、急に藍沢はあなたを下ろした。
藍沢は話を変えた。
あなたをこれ以上辛い思いをさせないように藍沢はわざと明るい方向に話をもっていき、藍沢とあなたは弟を見に行った。
それをスタッフステーションにいた藤川、緋山、冴島らが静かに見守っていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!