ーーー美月ーーー
あの光太郎の目は絶対に勘違いをした目だった。
何度目かもわからないため息をつく。
美苑に電話しよっかな…あ、時差あるんだった
今は夜の22時だからパリは…15時…レッスン中か
憂鬱な気分のまま眠りについた
6時きっちりに目が覚めて、支度をする。今日は合宿最後の日
そう言って黒尾は研磨に絡みに行った。いいこと?どういうことだろう?
合宿最後のゲームが始まって、そのスコアをつけてるんだけど…なんか光太郎調子悪い?
監督がタイムアウトを取る
赤葦に背中を押されて、ぶつかった先には…
異様に慌てた光太郎が
まくしたてるように言って恥ずかしくなってその場から逃げた。これで光太郎の調子戻らなかったらほんとにやばいよ!!!
ーーー木兎ーーー
なにあの美月。可愛すぎ
お、なんか調子戻った
昨日の夜からずっと美月に告うことしか考えてなかったから、こんな状況になるのは良くない。
黒尾の挨拶で合宿は幕を閉じた
ニヤニヤしながら聞いてくる黒尾。ほんっとムカつくな!
絶対、今日の帰り道で告う。
バスに揺られて、気づいたら学校についていた。
美月は荷物を体育館に戻しに行ってるからまだ戻ってこない
そう言って赤葦は帰ってしまった。どうしようどうしようどうしよう
やっぱりまだ心臓がばくばくして言えない!しかも先になんか言われると心が折れちゃいそうな気がして。
美月が、俺のこと恋愛的な意味じゃない好きだとしても。俺は気づいちゃったから。だから
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。