第22話

take22
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2019/09/26 13:16
ーーー赤葦ーーー
お互いの唇の距離は残り3センチ
美苑さんは驚いたまま固まって、でも目は逸らさなかった。
俺の前髪が美苑さんの肌にかかる
あと、1センチ
伊吹美苑
伊吹美苑
…木葉
視線を横にずらすと、目を見開いて固まっている木葉さんと、後ろから息を切らしながら走ってきた、美月さんと木兎さんの姿があった。
俺を軽く突き放して驚いたように木葉さんの方を向いた美苑さん。
角度的にはきっと、キスしてるように見えたな
木葉秋紀
木葉秋紀
赤葦てめぇ
俺は避けなかったし止めなかったし、謝らなかった。殴られた方がきっと楽になる。
木葉秋紀
木葉秋紀
はあぁぁぁ
俺の目の前で急にしゃがみ込んだ木葉さんはそのまま、情けねぇ。と呟いた
木葉秋紀
木葉秋紀
彼氏でもねえのになぁ
伊吹美苑
伊吹美苑
木葉…
木葉秋紀
木葉秋紀
ごめんちょっと赤葦と2人で話したい。隣の部屋、借りていい?
木葉さんに連れられて、隣の部屋に来た。
伊吹家は本当に大きくて、知らない部分がきっとまだまだたくさんある。
美苑さんのことだって、ほとんど何にも知らないんだ。その部分をこの人は知っている。
赤葦京治
赤葦京治
(ああ、敵わない。)








ーーー美苑ーーー
伊吹美月
伊吹美月
落ち着いた?
リビングに戻ってホットコーヒーを飲む。少し落ち着いてきてはいるけど、何が起こったのか整理するのにはまだまだ時間がかかりそうだ
木葉は赤葦を連れて来賓室へ入っていった
伊吹美月
伊吹美月
説明できる?
伊吹美苑
伊吹美苑
木葉にこの前告白されてて、返事はいつでもいいって言われてたから返事してなくて
伊吹美月
伊吹美月
うんうん
伊吹美苑
伊吹美苑
それでさっき赤葦くんにも告白されて…嫌だったら拒んでくださいって言われて…多分キスされそうだった
木兎光太郎
木兎光太郎
赤葦やるな!
伊吹美月
伊吹美月
木兎は黙ってて
木兎光太郎
木兎光太郎
はい
伊吹美月
伊吹美月
で?美苑の気持ちは?どうなの?
伊吹美苑
伊吹美苑
私は…多分赤葦くんが好き
伊吹美月
伊吹美月
だったら話しないと
伊吹美苑
伊吹美苑
うん
伊吹美月
伊吹美月
まずは木葉とちゃんと話すんだよ?
伊吹美苑
伊吹美苑
そう…だよね
はっきりさせないと…

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