第21話

take21
537
2019/09/20 14:44
ーーー赤葦ーーー
伊吹美苑
伊吹美苑
何が良いですか
赤葦京治
赤葦京治
戦場のメリークリスマスとかできますか
伊吹美苑
伊吹美苑
たらららら〜てやつですか
赤葦京治
赤葦京治
多分、、(読者には伝わってない)
美苑さんが弾き始めた戦場のメリークリスマスはとても儚く、なぜか胸が締め付けられるようで、流石ピアニストと言わざるを得ない
赤葦京治
赤葦京治
美苑さん、俺













ーーー木葉ーーー
美月と木兎と合流して伊吹家に向かう。
ほんとは美月が微妙な顔してるの気づいてた。けどやっぱり赤葦には行って欲しくない
ガチャ
木葉秋紀
木葉秋紀
お邪魔しまーす
伊吹美月
伊吹美月
木葉待ってって
美月の声なんてほとんど聞こえない。リビングにもいつもの部屋にも2人はいない。
じゃあ、美苑の部屋か。
伊吹美月
伊吹美月
木葉!一旦ストップ!!
木葉秋紀
木葉秋紀
んだよ
伊吹美月
伊吹美月
ちょっと、ちょっと待ってよ
木兎光太郎
木兎光太郎
落ち着けよ木葉
木葉秋紀
木葉秋紀
俺は、あいつが…
あーーーーもう。わかんない。
木葉秋紀
木葉秋紀
俺さ、あいつに告ったんだよ
伊吹美月
伊吹美月
え?!
木兎光太郎
木兎光太郎
え?!
木葉秋紀
木葉秋紀
俺、あいつの特別だって思ってたんだよ。あいつが木兎を好きでも結局俺に頼ってくれる
木葉秋紀
木葉秋紀
でも、部屋には入れてくれないし、無意識に線を引かれてる気がして
木葉秋紀
木葉秋紀
最初は、それでいいと思ってた。美苑の一番近くで支えられるなら、それで。でもそれも赤葦に取られそうで、冷静でいろって言う方が無理だわ。
呆然と立ち尽くす美月と木兎をおいて、美苑の部屋に向かう
コンコン
木葉秋紀
木葉秋紀
美苑、入るぞ
扉をあけて、見た光景に俺は絶句して、それでも目をそらすことは出来なかった。
伊吹美苑
伊吹美苑
…木葉









ーーー美苑ーーー
赤葦京治
赤葦京治
美苑さん、俺
伊吹美苑
伊吹美苑
うん?
振り向くと、すぐ横に赤葦くんが座っていて、
赤葦京治
赤葦京治
あの、俺、
困ったように目を泳がせる赤葦くん
赤葦京治
赤葦京治
俺、初めて会った時から、美苑さんのこと好きでした。
伊吹美苑
伊吹美苑
え?
赤葦京治
赤葦京治
美苑さんのアンニュイな感じとか、たまにふわっと笑う時とか、傷つきやすくて繊細で、人一倍努力家なところとか全部。
赤葦京治
赤葦京治
俺が支えたいって思います。全部、守りたいって思います。
赤葦京治
赤葦京治
俺、美苑さんのこと好きです
赤葦くんの突然の告白に驚いて声が出なかった。
この前の木葉の告白の時とは違う。戸惑いとかじゃなくて、嬉しいのに悲しくて、笑いたいのに泣きたくなる。
伊吹美苑
伊吹美苑
えっと、
赤葦京治
赤葦京治
俺が今からすること、嫌だったら全力で拒否してください
そう言って立ち上がった赤葦くんは、私の前で屈んで、頰に手を当てた
顔をグイッと持ち上げられて、自然と赤葦くんと目が合う。心臓、うるさい。
まるで世界に2人しかいないような錯覚に陥って、ノックの音を聞き逃していた
だんだんと近づいてくる顔に、やっと、今されていることを理解した。
そして、
ああ、嫌じゃない
って思った。
私、赤葦くんが好きなんだ。

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