第2話

take2
1,391
2019/04/28 10:53
ーーー美月ーーー
伊吹美苑
伊吹美苑
行ってきまー
伊吹美月
伊吹美月
あ?!美苑待って!!
伊吹美苑
伊吹美苑
お先にー
伊吹美月
伊吹美月
あああ
美苑が玄関を出る音がしたけど、私はまだ制服を着ていた。
伊吹美月
伊吹美月
行ってきまーす!!
美苑より3分遅れて家を出る。
すると自転車で坂を下った先に光太郎がいた
伊吹美月
伊吹美月
光太郎???
木兎光太郎
木兎光太郎
あ!美月!
伊吹美月
伊吹美月
おはよーなんで歩き?
木兎光太郎
木兎光太郎
昨日家帰ったらチャリぶっ壊れてた!
伊吹美月
伊吹美月
乗ってく?
木兎光太郎
木兎光太郎
え?まじ??
伊吹美月
伊吹美月
光太郎が漕ぐなら
木兎光太郎
木兎光太郎
おっけー!ほら、美月降りて
そう言って、ノリノリで私の自転車に乗った。
木兎光太郎
木兎光太郎
ちゃんと捕まんねーと落ちるぞ?!
制服の裾を少しつまむくらいにとどめていた手を光太郎は自分の腹に回した
伊吹美月
伊吹美月
光太郎苦しくない?
木兎光太郎
木兎光太郎
だーいじょーぶ!
光太郎がスピードを上げる。あっという間に学校に着いてしまったけど、とても幸せな気分だった。
赤葦京治
赤葦京治
木兎さん朝練遅刻です
木兎光太郎
木兎光太郎
すいません
体育館に入ると赤葦にそう言われた。そして光太郎はしょぼくれた。まあ、そのあとは普通だったから大丈夫なんだろうけど
朝練終わり、光太郎と一緒に教室へ向かう。
伊吹美月
伊吹美月
光太郎ってさー
木兎光太郎
木兎光太郎
ん?
伊吹美月
伊吹美月
好きな人とかいるの?
言った。言ってしまった。そもそもこの人に恋というものがわかるのだろうか。
木兎光太郎
木兎光太郎
好きな人かぁ、そういうの考えたことないかもなぁ
おっとー?まじで?木兎さんそれはどうなんだ。
伊吹美月
伊吹美月
そ、そっか
木兎光太郎
木兎光太郎
なに!美月好きな人いんの?
伊吹美月
伊吹美月
うん、まぁ
あなたですけど
木兎光太郎
木兎光太郎
そっか!応援する!だれ?!男バレ?!
ぐさぐさっと心が傷つけられていく。
タイミングよく教室に到着して、その話題は終わったけれど自分が思っているよりもダメージが大きかったみたい。
(先生)「おい、伊吹聞いてんのか」
と、一日中言われまくった
しまいには
木兎光太郎
木兎光太郎
どうしたんだ美月!元気ないぞ?!
と、木兎に言われた。お前のせいだよと言いたかったけど、ただの八つ当たりになってしまうからやめた。
伊吹美月
伊吹美月
んーんなんでもない部活いこ
木兎光太郎
木兎光太郎
そーか?
廊下で赤葦に会って3人で体育館に向かう。
赤葦京治
赤葦京治
あ、木兎さんこれ
木兎光太郎
木兎光太郎
なにこれ?
赤葦京治
赤葦京治
ラブレターじゃないですかね
伊吹美月
伊吹美月
ラブレター??木兎が?
木兎光太郎
木兎光太郎
なんか失礼だなっ笑
赤葦京治
赤葦京治
隣のクラスの子に渡してくれって頼まれたので
また、胸がズキっとする。本人が無自覚なだけで本当にモテるんだから。ふざけんなよこのやろー。
木兎光太郎
木兎光太郎
えー、へへ、
伊吹美月
伊吹美月
木兎、顔緩みすぎ
イライラした。あーあ。八つ当たり
木兎光太郎
木兎光太郎
なんで怒ってんの?!
伊吹美月
伊吹美月
別に
2人から離れてきた道を戻る。
赤葦京治
赤葦京治
どうしたんですか?
伊吹美月
伊吹美月
忘れ物
赤葦にまで冷たく当たってしまった。
たかがファンレター(と思いたい)であんなに鼻の下伸ばして、なんなのよもう。私の恋話の時には応援するよとか言っちゃって。や、わかってるよ?私になんて興味ないもんね。はいはい知ってますよー。
伊吹美苑
伊吹美苑
美月?
伊吹美月
伊吹美月
あれ、美苑まだいたの?
伊吹美苑
伊吹美苑
こっちのセリフだよ。部活行かないの?
伊吹美月
伊吹美月
あ、…
なにも考えないで歩いていたから、気づけば4階の教室の前にいた。
伊吹美苑
伊吹美苑
なしたの
美苑に代わりに行ってもらおうかなとか、考えていた…。

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