第18話

take18
619
2019/06/14 23:38
ーーー美苑ーーー
美月との言い合いから1週間が経ってあれから美月とはいい関係が築けていると思う
木葉からの告白の話は相変わらず保留のままで向こうもなにも言ってこないし私たちの関係に変化はない
伊吹美月
伊吹美月
はよ美苑。来週からまた海外だっけ?
伊吹美苑
伊吹美苑
そうだよ
伊吹美月
伊吹美月
てことはあれだ。テスト先にやるのか。今日から?
伊吹美苑
伊吹美苑
そー
ピーンポーン
伊吹美苑
伊吹美苑
うわ、朝からラブラブ登校ですか
伊吹美月
伊吹美月
えへへ
木兎光太郎
木兎光太郎
おはよ美月!!あ、美苑も!
伊吹美苑
伊吹美苑
おまけみたいな言い方するな
赤葦京治
赤葦京治
おはようございます
伊吹美苑
伊吹美苑
え?!
予想外の出来事に頭が追いつかない
木兎の影から赤葦くんがひょっこりと顔をのぞかせた
赤葦京治
赤葦京治
一緒に行きましょう?
伊吹美苑
伊吹美苑
…はい
マッハで支度をして家を出ると少し先に美月と木兎が歩いているのが見えた
あの日から何度も2人を見てるけど、今まで見たいなもやもやは消えていた。ただ消化不良だっただけで、伝えたら後悔というより肩の荷が降りた感じがした。
思ったことを言うのは爽快感がある
赤葦京治
赤葦京治
あの、大丈夫ですか?
赤葦くんと話すのもあの日以来で心配してくれているのかな?
伊吹美苑
伊吹美苑
思ったより平気。
赤葦京治
赤葦京治
なら良かったです
それ以上赤葦くんはなにも言わなかったけど、黙って私の横を歩いていた。
伊吹美苑
伊吹美苑
朝練遅れちゃうんじゃ?
赤葦京治
赤葦京治
大丈夫です。久しぶりに美苑さんに会えたので
伊吹美苑
伊吹美苑
どう言う意味?笑
赤葦京治
赤葦京治
そのままの意味です
臆面もなくそんなセリフを吐いてくる赤葦くんはきっと気を使っているんだと思う。ほんとに結構大丈夫なんだけどなぁ
木葉秋紀
木葉秋紀
おーい
伊吹美苑
伊吹美苑
あ、木葉!!
駆け寄っていくと頭をポンポンと撫でられた
伊吹美苑
伊吹美苑
なに〜?
木葉秋紀
木葉秋紀
なんでもねーよ
そう言って歩き出した木葉の横に並ぶと赤葦くんが戻ってきてそして私の横に並んだ
イケメンに囲まれてる…笑
朝練がある2人はそのまま体育館へ私はまた公欠届を出しに職員室に向かった
「おー伊吹か」
先生に声をかけて今日のテストの概要を聞く
「あれ、木兎は一緒じゃないのか?」
伊吹美苑
伊吹美苑
木兎と一緒なのは美月ですよ?
呆れながら返すと少し戸惑ったように先生が言った
「あー、あいつ来週から全日本の強化合宿とやらでいないんだわ。だからあいつも今日からテストなんだけど…」
あいつアホだな
伊吹美苑
伊吹美苑
呼んできますか?
「おー、頼むそうしてくれ」
体育館に着くとみんなが一斉に振り向いた。1、2年はすこしざわざわしている
伊吹美苑
伊吹美苑
木兎
手招きをすると、Tシャツで汗をぬぐいながらこちらに走ってきた。絵になるなばかやろー。
木兎光太郎
木兎光太郎
どした?
伊吹美苑
伊吹美苑
来週から公欠なんでしょ?今日からテストだから朝練してる暇ないよ?
木兎光太郎
木兎光太郎
は!忘れてた!
赤葦京治
赤葦京治
木兎さん俺さっき確認しましたよね
木兎光太郎
木兎光太郎
ぎくっ
伊吹美苑
伊吹美苑
…いーから先生呼んでる。行くよ
体育館の中では美月がごめんっと手を合わせてこっちを見ていた
木兎と一緒に別室の受験会場にいくと急に木兎が気まずくなってきたのかソワソワし始めた
伊吹美苑
伊吹美苑
木兎
名前を呼ぶと不自然に肩が上がる
木兎光太郎
木兎光太郎
な、ななに
伊吹美苑
伊吹美苑
ふはっ!そんなにおどおどしないでよ
伊吹美苑
伊吹美苑
とって食ったりしないから
これ絶対女子が言うセリフじゃないよなぁ
伊吹美苑
伊吹美苑
この前美月とちゃんと話して、けじめついたから。大丈夫。木兎のことなんとも思ってないから
木兎光太郎
木兎光太郎
お、おう…今まで通りでいいんだよな?
伊吹美苑
伊吹美苑
当たり前じゃん
木兎光太郎
木兎光太郎
そ、そっか!
テストは明日もあるけど、とりあえず今日の分を終わらせた。4日の行程を2日で行うから終わった頃には外真っ暗だった
携帯の電源を入れると、赤葦くんからメッセージが入っていた
赤葦京治
赤葦京治
終わったら連絡ください
???
とりあえず終わったよと連絡を入れるとすぐに既読がついて返信が来た
赤葦京治
赤葦京治
正面玄関にいますよ
驚いて窓の外を見ると赤葦くんと美月がそこにいた
木兎も慌てて窓の外を見ると、窓を開けて叫び出した
木兎光太郎
木兎光太郎
美月ー!!ごめん!今行くー!!
美月が大きく腕で丸を作るとニヤニヤしながらこっちを振り向いた木兎を軽蔑の眼差しで見てやった
木兎光太郎
木兎光太郎
ちょ、美苑待てって〜
私の後を慌ただしくついてくるこいつのことをなんで好きだったのか既に忘れかけていた。
それよりも、なぜ赤葦くんが残っているのか不思議でならなかった
木兎光太郎
木兎光太郎
赤葦も残ってたけど連絡きてた?俺には何にも来てなかったけど
伊吹美苑
伊吹美苑
あー、来てたよ
木兎光太郎
木兎光太郎
え?!まじで?なに付き合ってんの?!
伊吹美苑
伊吹美苑
ぶっ飛ばすぞ
柄にもなく悪い口が出てしまったけどこれくらいいいと思う。どうしたら振った相手にそんなことが言えるんだろう。やっぱり木兎なんか好きじゃなかったわ笑
すこし思うのはきっと美月への対抗心がすこしはあったんじゃないかなって思う。もっと早く美月と言い合えてたらもっと早く諦めれてただろうな
伊吹美苑
伊吹美苑
全部木兎のせいだ
木兎光太郎
木兎光太郎
え?!なにが?!
玄関を出ると空にはきらきらと星が瞬いていた。

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