第9話

take9
943
2019/05/05 15:16
ーーー美月ーーー
今日は合宿2日目。
あの日の夜から少し光太郎と距離ができてしまったことを強烈に後悔している。
伊吹美月
伊吹美月
木葉、ほんっとごめん!
木葉秋紀
木葉秋紀
いや、いいよ俺もちょっと焦ったかも
伊吹美月
伊吹美月
この合宿中になんとかする!
そう昨日宣言したのにも関わらず、1日が経ってしまった。
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
何か悩み事ですかお嬢さん
伊吹美月
伊吹美月
黒尾!
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
昨日からずっと悩んでる顔だね
伊吹美月
伊吹美月
え!そんなに顔に出てる?
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
出てる出てる
伊吹美月
伊吹美月
うーん。ちょっとね
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
恋の病ですか
伊吹美月
伊吹美月
そんなところです
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
木兎か
伊吹美月
伊吹美月
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
図星
そう言ってケラケラと笑う黒尾。
伊吹美月
伊吹美月
もう!
と言って、黒尾を叩こうとすると、その手をパシッと掴まれて止められた
伊吹美月
伊吹美月
そこは止めるとこじゃない!
そう叫んで手を振りほどこうとした時
木兎光太郎
木兎光太郎
黒尾!…と、美月?
光太郎側の廊下からはちょうど私が見えない角度で黒尾だけだと話しかけたら私もいたっていうオチ。
木兎光太郎
木兎光太郎
ごめん邪魔した
そう言って光太郎は走って来た道を戻っていった。
伊吹美月
伊吹美月
光太郎!
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
ごめん、俺が行く
伊吹美月
伊吹美月
でも…
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
大丈夫。今日は遅いからもう寝な?
伊吹美月
伊吹美月
うん
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
おやすみ
そう言って走って光太郎の後を追いかけていった。









ーーー木兎ーーー
部屋に滑り込むと、赤葦に不思議そうな顔で見られた
赤葦京治
赤葦京治
あれ?木兎さん黒尾さん呼びにいったんじゃ
木兎光太郎
木兎光太郎
あ、ああ忘れてた
赤葦京治
赤葦京治
アホなんですか
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
はぁ、はぁ、木兎、てめぇ早すぎんだよっ
後ろから息切れした黒尾が入って来た。
木兎光太郎
木兎光太郎
邪魔して悪いな
言いながらまた胸がズキッとする。最近すごく多い。この前美月と電話した時だって…
赤葦京治
赤葦京治
…さん、木兎さん!
木兎光太郎
木兎光太郎
あ、なにあかーし
赤葦京治
赤葦京治
なにじゃないですよ
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
なんで、逃げたてめぇ勘違いしたろ
木兎光太郎
木兎光太郎
勘違いなんて…黒尾と美月付き合ってるんだーって思って…
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
それが勘違いだって言ってんだよ!
赤葦京治
赤葦京治
なんで、それで木兎さんが不機嫌になるんですか?
木兎光太郎
木兎光太郎
え?
赤葦京治
赤葦京治
木兎さん関係ないですよね?
木兎光太郎
木兎光太郎
そ、そうだけど…
赤葦京治
赤葦京治
美月さんのこと好きなんですか?
俺が、美月のこと、好き…?
赤葦京治
赤葦京治
だって、付き合ってるって勘違いして嫌だって思ったんでしょう?
木兎光太郎
木兎光太郎
まあ、ちょっと…
赤葦京治
赤葦京治
美月さんに好きな人がいるってわかってズキってしたんでしょう?
木兎光太郎
木兎光太郎
…はい
赤葦京治
赤葦京治
美月さんが木兎さんじゃなくて木葉さんに連絡入れてたの面白くなかったんでしょ?
木兎光太郎
木兎光太郎
…はい
赤葦京治
赤葦京治
電話の時に好きな人自分だって言われて電話かけ直したのに考えたいとか言ってラブじゃなくてライクだとか言われて凹んだんでしょ?
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
まじで?笑笑笑
木兎光太郎
木兎光太郎
わ、笑うな黒尾!俺は真剣に…
赤葦京治
赤葦京治
もうそれは、好きってことですよね?
木兎光太郎
木兎光太郎
好き…
赤葦京治
赤葦京治
だれかの彼女になっちゃってからじゃ遅いですよ?
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
そーだぞー
木兎光太郎
木兎光太郎
俺、美月のこと好きなんだ…
赤葦京治
赤葦京治
しっかりしてくださいよキャプテン
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
んじゃ、解決ってことで俺部屋戻るわ
木兎光太郎
木兎光太郎
待て!なんで腕掴んでたんだよ?!
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
あー…秘密
黒尾は口に人差し指を当ててウインクをして部屋を出ていった。うぇ。
赤葦京治
赤葦京治
木兎さん明日にはちゃんと解決してくださいね
木兎光太郎
木兎光太郎
わーってるよ…解決ってなにすればいんだ?
赤葦京治
赤葦京治
決まってるじゃないですか。告白ですよ
木兎光太郎
木兎光太郎
振られるってわかってるのに?
赤葦京治
赤葦京治
そんなのわかんないじゃないですか
木兎光太郎
木兎光太郎
でも、憧れとか、尊敬とかの好きって言われたんだぞ?
赤葦京治
赤葦京治
そんなにモタモタしてたら誰かにとられますよ。
木兎光太郎
木兎光太郎
それはダメ!
赤葦京治
赤葦京治
じゃあ頑張ってください
赤葦に背中を押されて、俺は明日告白することを決めた。よし。頑張る!

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