無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第15話

『 君となら・・・』141〜
『きみとなら・・・』

☆★vo.141★☆


中:席付け〜進路希望の紙を配るんで、回してくれ〜
夏休み前までに提出な〜


もう夏休みだな〜
望、何して過ごすんだろう?

斜め後ろの席に居る望を、見ることができない私は、
その気配だけを必死にたどっていた。

今までは、「望の分までプリントあるかな」
「物を落としたりしてないかな」
「陽の光が眩しくないかな」
「授業中寝てないかな」なんて、
色々と確認しながら生活してきた。

だから、、、今の状況が、とてつもなく不自然で、
とてつもなく居心地が悪く、とてつもなく辛かった。


重:〇〇?大丈夫か?
〇:えっ?大丈夫だよ。
重:やから、呼ばれてんよ。


あっ、私の番か。

教壇まで行き、淳太先生から配布物を受け取った。

戻り際、私は質然的に望を見てしまった。


真弓ちゃんと話してる…

望が…笑ってる…



••••••••••••︎•••••••••••••︎

☆★vo.142★☆


席に着く前に、もう泣いていた。

望の笑顔は もう、私だけのものじゃぁ、ないんだな…


ガンッ!バタンッ!!!


私は、気を失い倒れた。


女子:キャーッ!血が!!!


倒れた時、机に勢いよく頭をぶつけ、出血していた。


望:〇〇ッ!!!〇〇?〇〇?
中:保健室に連れてく。
望:何しとん!お前が触んな!!!
中:ふざけんな!もう…お前には任せておけん。
望:っ!!!


淳太先生は私を抱きかかえ、走った。
私は救急車で運ばれた。





意識が戻ったのは、病院のベッドだった。

点滴が繋がれ、ピッ…ピッ…と、機械が鳴っていた。


母:目、覚めたの?どう?具合は?
〇:・・・分かんない。


横になっているのに、めまいを感じた。

私は、もう一度、眠りに吸い込まれていった。

私…このまま、死んじゃうのかな?
フワフワして、ぬるま湯に浸かっているようだった。


死ぬ前に、望と笑い合いたかったな…


ん?なんか、声が聞こえる…
なんだか すごく…愛おしい声…


藤:ありがとな。
望:〇〇の為や。
藤:〇〇がさ、望に惚れたんは、そういうとこかもな。
望:そっ…そっかぁ?!///////!
藤:おん。ええやつやな。
望:流星こそ…ええやつやん(笑)
藤:いや、望の方がええやつやって〜(笑)
望:いやいやいやいや、流星の方がええやつやって〜(笑)
藤:いやいやいやいや、望の方が絶対ええやつやって〜(笑)
望:いやいやいやい、、

〇:やめいっ!!!てか、オチはどうするつもりだったんだよ!

望:〇〇〜(笑)
藤:(笑)大丈夫か?
〇:分からん。私、どうしたの?



••••••••••••︎•••••••••••••︎

☆★vo.143★☆


そこに母と淳太先生が来た。


母:〇〇、起きたの?
中:具合はどうや?
〇:さっき目覚めた時より、大丈夫そう。めまいもしないし。
中:それは良かった。
母:病院の先生が「栄養失調です」だって。
〇:へっ?


私、苦笑いするしかないよね…




〇:望と話したいんだけど…イイかなぁ?


みんなは部屋を出た。


〇:話があるって言ってたよね?
望:流星の事、気付いとったから。アイツ隠すの下手やねん。
〇:望だって下手じゃん。バレバレだからね。
望:何が?俺は隠し事なんて無いで。


ウソつくの?胸がギュッてなった。


望:付き合うてるんやろ?
〇:えっ?付き合ってないよ。
望:なんで?
〇:なんでって…
望:好きなんやろ。
〇:う、うん。
望:じゃあ、付き合えばええやん。俺の事 気にしとるんか?
その方が気分悪いわ。
〇:で、でも…そう簡単じゃ…
望:そういう事やから。じゃ、帰るな。


私、、、愛想つかれたんだ…

最後に笑い合うどころか、嫌われちゃった…


藤:〇〇?望どうしたん?帰ったで。
〇:・・・分かってたんだけどね。嫌われた。完全に。
藤:〇〇…


流星は優しく抱きしめてくれた。

いつまでも、涙が止まらなかった。




私は入院する事となった。

栄養状態も精神状態も安定せず、松村くんと同じ様な病気になっていたのだ。

学校へ行く事もできないのか…

望が幸せなのか、確かめる事もできない…

入院…点滴してるだけ。
ただ、ただ、望の事を考えてるだけ。

なんとか気を紛らわしたかった。
売店へ、点滴をコロコロ引き連れて行った。



••••••••••••︎•••••••••••••︎

☆★vo.144★☆


あ:〇〇ちゃん?
〇:あ、あゆちゃん!


まだ入院してたんだ…


あ:あの時は、ごめんね。
〇:う、ううん。過ぎた事だし。
あ:ありがとう。


なんだか あゆちゃん、穏やかになった。


〇:まだ一晩過ごしただけなのに、暇で死にそうだよ(笑)


強がってみた。
だって、あゆちゃんに弱いところ見せられない。


あ:ノートに書くとイイよ!何でも思った事。
〇:一言目は決まってる『暇』だな。
あ:私は『桐山くん』だった。
〇:っ!!!
あ:やだ、ごめんね。でも…本当の事。
〇:そうだよね…


私の一言目。
きっと『暇』じゃあ、ないな…


望、、、
今、何してるの?

私は、泣いていた。
望に会いたくて、泣いていた。

初めて、あゆちゃんの気持ちが分かった。
何年も毎日、こんな思いで過ごしてたら、
おかしくなるに決まってるよ。

泣いている私の背中を、あゆちゃんは優しくさすってくれた。


あ:いっぱい泣きな。


その言葉は強くて、本物の優しさだった。
あゆちゃん…乗り越えたんだな。

私は、あゆちゃんの隣で、いっぱい泣いた。

そして私は、新しい友情を手に入れたんだ。

倒れた時、頭をぶつけていた私は、いくつかの検査をした。

「良かったですね。異常は見られませんでした」
でも、そんな言葉も、今の私には何の意味も無かった。


私は売店で買ったノートに、何かを書こうと、ペンを取った。

『望』

それしか浮かばない…

そこへ、あゆちゃんからメールが来た。


あ:今、行ってもイイ?
〇:もちろん、イイよ!



••••••••••••︎•••••••••••••︎

☆★vo.145★☆


コンコンっ!


あ:もうひとり、連れてきたよ!
桐:〇〇?
〇:えッ!照史ッ!
桐:なんで、〇〇まで入院しとるん!(怒)
〇:ご、ごめんなさい…
桐:歌いたいんやろ?そんなんじゃ、叶う夢も叶わんで!
あ:桐山くん、押さえて。


バレンタインの日、照史に怒鳴っていなければ、こんな複雑にはならなかったんだ。

お互いの気持ちを知る事も…
運命的な再会をする事も…
誰かとキスする事も…

そして、たくさんの人を傷つける事も…

全てが、不用意に感情を爆発させてしまった私のせいなんだ。

嫌われるのも、仕方ない事だ。


もう、諦めよう。


私は、コントロールできない『好き』を隠して、決心したつもりでいた。


入院初日だけあって、たくさんの友達が面会に来てくれた。


里:〇〇!大丈夫そう?
重:〇〇!生きとるかぁ?
里・重:えーーーッ!!!


そうだよね。
この部屋に、あゆちゃんと照史が居たら、ビックリするよね。

それでも なんだかんだ、私の友達は、
みんな友達になっていった。


里:望も誘ったんだけどね…ごめんね。
〇:ううん。今は…会っても困らせちゃうだけだし…
重・里:・・・・・
〇:今日、望、元気だった?体調崩したりしてない?
重:それが…一言も話さんかってん。応援団の発声練習 以外は。
里:真弓ちゃんとも話して無かったんだって。
〇:えっ!!!


私は愕然とした。


望、どうしたの?

真弓ちゃんと、幸せになるんだと信じてたのに。
てか、幸せになってくれなきゃ困るのに…
次の恋が埋めてくれるって、思ってたのに…


重:なぁ、〇〇?昨日、望と何があったん?


私は、昨日の望との事を話した。


〇:望はね、真弓ちゃんを選んだんだと思う…
だってさ〜綺麗で清楚で明るくて〜
マネージャーさんは気が利きそうだし〜
なんか、お料理もできそうだし〜
それに…きっと、望だけを好きでいてくれる、、、
だから…うまくいってもらわないと困る…


また、泣いてしまった。


••••••••••••︎•••••••••••••︎

☆★vo.146★☆


バタバタバタバタ!!!


「走らないで!」「すみません!」


桐:なんや、騒がしいな。


ガラッ!!!


輝:〇〇ッ!ゼーッハーッゼーッハーッ
藤:お前 アホか!全力で走んなやっ!
輝:〇〇、頭に包帯って…大丈夫なのか?
藤:コイツに言ったんが間違いやったわ…
輝:アホはお前だーッ!〇〇がもし、居なくなったら、俺…俺…(泣)
藤:はいはい、よしよし。
輝:頭 触んなやッ!


みんな唖然として見ていた。


〇:ぷっ!はははぁ〜(笑)


さっきまで泣いてたのに、笑いが止まらなかった。


〇:ありがとう!輝。
輝:お、おん。ホント…大丈夫?
〇:うん、頭の検査は異常なし!
輝:良かった〜じゃあ、すぐ退院できるんだ?
〇:それは分からないけど…


コンコンっ!


〇:は〜い!
ジ:〇〇〜あぁなんて姿!
〇:や、ちょっ!////////!


ジェシーは入って来るなり、人目もはばからず、私を抱きしめた。


藤:何してん。
ジ:よっ!居たのか。あっ!そうそう、爺や〜持って来て〜


お付きの人達が、フルーツの盛り合わせやら、
ケーキやら、お菓子やらを並べ始めた。


里:えっ?パーティ?
ジ:はいこれ!
〇:あ、ありがとう…


この薔薇、100本くらいありそう!
相変わらずスゴイな…



••••••••••••︎•••••••••••••︎

☆★vo.146★☆


ジ:〇〇、少しでも食べるんだよ。


そう言うと、私の頬を指の背で愛おしそうに なでた。

それは、あの頃のジェシーが、キスをする前ぶれにしていた事。
ふたりだけが知ってる事だった。


〇:!////////!あ、ありがとう!
ジ:(笑)可愛いな。どういたしまして〜


私、動揺してるのバレバレでしょ?

流星がいるから、ワザとそういう事するんだ!
もう〜みんなの前で、ハズいハズいッ!

それに、流星と輝の顔が怖いよ〜


ジ:みなさんどうぞ!
重:やったー!


私達は、パーティさながら、楽しく過ごした。


ジ:〇〇?明日も来てイイかな?
〇:そ、そんな、毎日じゃ大変だから…
ジ:迷惑なら辞めるけど…


ジェシーにしては、弱気な発言だった。


〇:迷惑じゃないよ!ありがとう!(笑)


ジェシーは少し照れて、微笑んだ。
それは、あの頃見ていた、王子様の笑顔。
私が、好きだった笑顔…

気付けば、面会終了時間。
みんなと過ごす時間が楽しくて…
帰っていく姿を見るのが、淋しかった。

3分後。
コンコンっ!


〇:流星〜!どうしたの?
藤:忘れ物。


流星は、私のベッドに腰掛け、優しくキスをした。

私は照れて、うつむいた。


藤:ごめん、アカンかったか…
〇:ううん。突然だったから、ビックリしたの。
藤:〇〇?
〇:ん?
藤:ずっと側に おるからな。
〇:うん(笑)


今度は優しく抱きしめてくれた。

流星、、、好きだよ。

心がそう、呟いた。



••••••••••••︎•••••••••••••︎

☆★vo.147★☆


次の日も、次の日も、そのまた次の日も、ジェシーと流星は面会に来た。

日替わりで、ヒロや崇裕や淳太先生が来たりして、毎日、騒がしかった。

そして私は、1週間ほどで退院した。

毎日、騒がしくしてくれたお陰で、心のケアが進み、うんと早く退院できたのだ。



次の日。
ハッキリ言って、久しぶりの学校に ビビっていた。
シゲと里依紗が、そんな私をフォローしてくれた。

一緒に教室へ向かうと、
そこには、たくさんの友達が待ち構えていた。

照史・あゆちゃん・ジェシー・ヒロ・雪ちゃん・松村くん・淳太先生。


中:お帰り(笑)
みんな:お帰り〜!


泣いてちゃいけないんだ…
私はみんなから、パワーをもらった。


〇:ただいまぁ〜!!(笑)


っ!!!望が離れたところから見ていた。


キーンコーンカーンコーン〜♪


望は何も言わず、席に着いた。

もう、終わったんだ。
私は何度も、自分に言い聞かせた。



••••••••••••︎•••••••••••••︎

☆★vo.148★☆

こうして、望とは一切会話せず、目も合わせられずにいた。

そう、もう終わったんだ。
これでイイんだ。


中:プール内の循環器?の故障で、体育は外!


「えーーーーーーーーーーーッ!!!」


体育着に着替え、下駄箱まで来た時、


真:〇〇ちゃん!


私に何の用かな…なんか怖い…
私は、普通を装ってみた。


〇:なに?
真:〇〇ちゃんって、望くんの何?
〇:えっ、なにって…


真由美ちゃん、穏やかそうに言ってるけど、目が笑ってない…


真:お付き合いしてるの?
〇:私、望とは関係ないから!


その時、誰かの気配がして振り向くと、望とシゲがいた。

完全に聞かれた。

私は、靴を履き替え逃げた。
これでイイんだ。



••••••••••••︎•••••••••••••︎

☆★vo.149★☆

昼休み。
渡り廊下を通った時、聞こえてきた…応援団の発声練習。

!!!ドコ?!!!

私は一目散に、その方向を見下ろした。

望だ…
遠くからだけど、望の姿を見ていられる事が嬉しかった。


里:頑張ってるね、望。
○:うん。
里:○○が、頑張れって言ったからじゃない?!
○:えっ?


涙が頬をつたった。
望の姿が滲んでいった。


○:終わっちゃったけどね…


もう、頑張らなくてもいいのに…
望は、何のために頑張るんだろう?

炎天下の中、辛く厳しい応援団の練習は、
野球部の試合一回戦目の前日まで、毎日続いた。

私は毎日、渡り廊下から見ていた。
だだ唯一、望の姿を見ていられる場所だったから。


中:明日は、四ツ池の浜松球場で野球部の試合があるからなぁ~
  飲み物用意して水分補給できるようにしておけよ~。
  現地集合だけど、行き方分かるか~?


「去年行ってるから、大丈夫で~す!」



••••••••••••︎•••••••••••••︎

☆★vo.150★☆


放課後。


真:〇〇ちゃん!


私はまた、下駄箱で声を掛けられた。


〇:な、何?
真:明日行くよね?
〇:う、うん。行くよ。


真弓ちゃんは、私に近づき、耳もとで言った。


真:私ね、望くんとキスしちゃった!
〇:えっ!!!
真:いいんだよね?付き合って無いんだし。
〇:う、うん…
真:明日楽しみだね〜バイバ〜イ!


真弓ちゃんは、ルンルンだ。
きっと私に見せつける気だ。
マネージャーなら、望の傍にいられる。

でももう、終わったんだ。
私には、関係ない。
何度も何度も、言い聞かせた。

家に着いて部屋に入ると、
なぜか望とふたりで過ごしたあの日を思い出した。

キス…したなぁ…

あの日がずっと、続いてれば良かったのに…

私はまた泣いた。

今は、すぐ傍の席に居るのに…見る事もできない。

全部 私のせいだ。

望、真弓ちゃんと幸せだとイイな…



••••••••••••︎•••••••••••••︎