『君となら・・・』
☆★vo.101★☆
ん?ここドコだ?
竜:〇〇?大丈夫?どこか痛いところ無い?
〇:大丈夫だよ(笑)ごめんね、心配かけて。
竜:だから、食べなって言ったじゃん!!!
〇:うん。そうだね。ごめん。
側に居てくれたの?
竜:うん。心配だもん。
〇:ありがとう(笑)
こんな可愛い弟の言う事聞かなかったから、バチが当たったんだな〜
コンコンっ!
ジ:〇〇どう?
竜:今、起きました!大丈夫そうです。
ジ:良かった〜(笑)
〇〇に、特製ジュース作ってもらってるから。それ飲んだら、元気になれるよ!
〇:ありがとう。
ジェシーの事もね、たくさん考えてた。
一緒にいた あの頃の事とか。
マイペースで、振り回される事もあるけど、いつでも私を想っていてくれて、穏やかで暖かい。
竜:僕、ホッとしたら、お腹空いちゃった!
あとは、お願いします!
と言うと、部屋を出てしまった。
改めて部屋を見渡して気付いた。
この部屋って…
ジ:〇〇?
〇:ん?
ジ:ごめんな。
〇:えっ?なにが?
ジ:俺のせいかなぁ?って、、、
昼休みとか、俺が つきまとうから、食べなくなったかと、、、ごめん。
〇:そうじゃないよ。まぁ、少しはあるけど…ジェシーのせいじゃないよ!
心と体が、自分でうまくコントロール出来てないだけ。
ジ:ごめん。そんなに、追い詰めてたなんて、、、
〇:もう、謝らないでよ〜ジェシーのせいじゃないから〜
ジ:じゃあさ、、、誰のせい?
〇〇の心にいるのは、、、誰?
えっ?誰って、、、
その時、私の心にいたのは、
望と、、、
流星だった…
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☆★vo.102★☆
時々、流星から感じる、悲しくて淋しくて、せつない気持ち。
ずっと、気になっていた。
放っておいたら、ダメな気がして…
コンコンっ!
神:〇〇?目〜覚めたん聞いて。大丈夫か?
〇:うん。ありがとう。
ジ:〇〇、後で話そうな。
ジェシーは部屋を出ていった。
神:ジャマしちゃったな?!
〇:そんなんじゃないよ。
神:〇〇はそうでも、ジェシーはちゃうやん。
〇:・・・・・
神:声。精一杯やったん?
〇:えっ?歌?
神:全然、出てへんかってん。自分では気付いてないん?
〇:そうだったんだ…
私は歌う人になりたいのに…
恋愛なんて、してる場合じゃないのに…
私は、自分にとって大切な進む道を見失い、心も体もダメになっていたんだ。
神:学校でも色々あったしな。
〇:うん。
この前も、音楽室の外で、先輩の女子にイチャモンつけられてさ。
神:もしかして、、、坂口さんかな?
〇:名前は分からないけど、ヒロに近づくなって。
みんなモテるから、そんな事になるんだよ~(笑)
神:モテるって、○○に言われたないわ。
〇:なんか、、、女子って損だな。
あの子達も、みんな幸せになる日が来るのかな?
神:・・・いつか、その子なりの幸せを見つけるんやないかな。
私の幸せって、、、何なんだろう?
今は、何が本当に幸せなのか、全く分からなかった。
〇:坂口さんだっけ?!気持ち、大切にしてあげてね。
神:おん。分かっとるよ(笑)
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☆★vo.103★☆
コンコンっ!
藤:〇〇、大丈夫か?
〇:う、うん。
なんで、流星来るのよぉーッ!
〇:なに?
藤:なにって、なんやねん?心配しとるのにっ!
〇:もう、大丈夫だから!
藤:なに怒ってんねん?
〇:怒ってないよ!
藤:怒っとるやないか、なぁ?
神:おん。完全に怒っとるな。
〇:そんなことない!
ヒロに救いを求めるのやめてくれる!
藤:なんやねん!言っとくけどな、〇〇をここまで運んだの俺やからなッ!
〇:えっ?!!!
そうだったんだ、、、
本気で心配してるの?
藤:なんかあったん?
〇:なんもないよ。
藤:今日、会った時からおかしいで?
〇:別に。
藤:・・・・・
神:ふたりで話した方が、ええな!?んじゃぁ!
〇:えっ?
ヒロは部屋を出て行った。
藤:ホンマにどないした?なんで怒っとるん?
〇:・・・・・
藤:なんか、聞いたのか?
〇:・・・ちょっとね。でも、そういう事なら、大丈夫だから。もう、気にしないで。
藤:大丈夫って何だよ?
〇:だから、あの子。仲良くしてたじゃん。
藤:ん?なんの事?
〇:もういいよ!言いたくないなら!
流星のバカ!!!
人の心、かき乱しといて!!!
藤:ごめん、怒んなよ。
本気で流星の事、たくさんたくさん考えたのに、、、
完全に、気持ち、持っていかれてるのに、、、
終わりだなんて、、、残酷だよ。
〇:ホントに、、、大丈夫だから。
藤:おん。分かった。
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☆★vo.104★☆
失恋か。
コレが、白黒ハッキリした、分かりやすい方の失恋か?
そうなんだな、きっと。
辛いんだね、かなり…
時々、流星から感じる、悲しくて淋しくて、せつない気持ち。
放っておいたら、ダメな気がして…
どうしても、切り離す事ができなくて…
・・・帰ろっかな。
ジ:〇〇?見てもらいたい場所があるんだ。
ジェシーに声をかけられた。
私達は、玄関から庭を繋ぐ道にある、花園の様な庭園に来た。
薄暗くなった庭園がライトアップされていて、奇麗だった。
〇:すごい!バラ園みたい!
ジ:母の趣味なんだ。ココは〇〇に似合うな(笑)
〇:私そんなお嬢様な部分無いから~(笑)
ジ:・・・・・
ジェシーは、うつむいて言った。
ジ:〇〇に話さなきゃいけない事があるんだ。
俺と流星の事。
〇:えっ?流星?
ジェシーと流星は、流星が転校してきてすぐ仲良くなり、その時から色々と競い合ってきた。
運動神経 抜群で勉強もできて、結構器用な流星は、一学年下なのに、いつもジェシーと同等か、それ以上だったそう。
仲がいい分、負けた悔しさが募ったのかも知れない。
2年半前、ジェシーは流星に好きな子がいる事を知った。
それも、長年続いていた想いだった事を。
ジ:俺、○○ちゃんの事、好きになった。
藤:はぁ?そんなん嘘やッ!!
ジ:告るつもりだから。
藤:ふざけんな!!!
そして、殴り合いになった。
いつも優勢だった流星が負けた。
殴り合いの喧嘩においては、幼いころから いろんな武道をたしなんでいたジェシーが、優勢になった。
ジ:お前に〇〇ちゃんは守れないだろ。
藤:・・・・・
ジェシーは卒業式の日に私に告り、私たちは付き合う事になったのだ。
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☆★vo.105★☆
ジ:ごめんな。今まで話さなくて。
〇:・・・・・
なんて言えばいいのか分からなかった。
ジェシーとの日々は、私に幸せを感じさせてくれていたのに、、、
ウソだったんだ…
〇:だから、居なくなっちゃったんだ。
ジ:それは違う。始まりは偽りだったけど、〇〇と過ごして、〇〇の事をたくさん知って、本気で好きになった。
〇:・・・ごめん、分からない。本当だとは、思えない。
ジ:でも、本当なんだよ!だから、あの日、花火した日、、、覚えてる?俺の部屋で、、、
町内のお祭りに行った夜、ジェシーの家で花火をした。
もう帰る時間で、私はそのまま 帰ろうとしたんだけど、、、
「来て!」と言い、私の手を取ったジェシーは、部屋へ連れて行き、ドアをしめた。
私は、急に連れさられ、ビックリした。
〇:どうしたの?もう、帰らなきゃなんだけど…
ドンッ!
ジェシーは壁ドンして、言った。
ジ:〇〇、好きだよ。
〇:う、うん。
初めての壁ドンと、ストレートな告白に、ドキドキがとまらず、戸惑いが隠せなかった。
そして、ジェシーはゆっくりとキスをしてくれた。
嬉しくて、でも恥ずかしくて、ジェシーの顔を見られなかったんだ。
うつむいてる私を抱きしめて、
ジ:ずっと、大切にするからね。
これが私の、ファーストキスだった。
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☆★vo.106★☆
ジ:さっきの部屋で、初めてキスしたの。
〇:うん、覚えてる。やっぱり、あの部屋だったんだ。
ジ:浴衣で花火してる〇〇を隣で見てたら、誰にも渡したくないって思ったんだ。そしたら、もう止められなかった。
〇:そっか。良かった。ファーストキスを、好きだと思われてない人に、奪われたんじゃなくて…
ジ:俺だって、ファーストキスは、好きな人としたいと思ってたし。
〇:えっ?!!!私が初めてだったの?
ジ:そうだよ。今でも、〇〇としかキスした事ないよ。
〇:そうなんだ…知らなかった…
の、割には、その後からは大人なキスをしてきたよな…
やっぱ、ハーフだから違うのかなぁ?
ジ:〇〇は、あるの?他の誰かと…
〇:あ〜、、、うん。彼氏いたし。
ジ:そっか…
〇:なんか、、、ごめん…
私はなんだか、他の誰かとキスした事を、ジェシーに悪いと思った。
そんな事はないのに、、、
ジ:流星とは?
〇:・・・・・
特に、、、流星と。
あれは、不意打ちのキスだったけど…
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☆★vo.107★☆
〇:私と会えなかった期間に、誰かいなかったの?
ジ:いなかった。でも、誘惑はあったな(笑)
〇:誘惑?怪しぃ〜
ジ:アメリカ人の女の子って、積極的で、推しが強いし、日本人とは違って、服装とかスゴくてさ〜
〇:スゴイって、どんなよ〜?
ジ:セクシーと言うか、やたら露出が多い子もいたりして(笑)
〇:で、誘惑に負けたんだ?
ジ:本当の事を言えば、、、負け、、、
〇:た?
ジ:てない!
〇:ウソだーッ!(笑)
ジ:負け、そうになったけど、回避したよ(笑)
私達は、普通に話していた。
そりゃあ、ショックだったけど…
ジェシーが私を大切にしてくれていた事は、変わらない事実だし。
ただ、、、流星の事が、気がかりだった。
私が知ってる流星は、元々は普通の子だった。
けど、いつしかヤンキーになっていた。
私とジェシーが付き合い始めた頃から だったかも知れない。
私は、私の知らないところで、流星を傷つけていたのか…
流星の心にある、暗い部分は、私なのかも知れない。
もっと、寄り添ってあげれば良かった…
でももう、遅い。
流星は、心移りしてしまったのだから。
私は、後悔の嵐で、胸が張り裂けそうだった。
︎•••••••••••••︎•••••••••••••︎
☆★vo.108★☆
私達は、庭園を歩きながら、たくさん話した。
辺りはもう、暗くなっていた。
庭でバスケをしている男子達の声が響いていた。
私は、帰ろうと思って、バスケをしていた竜を呼んだ。
竜:えっ?まだイイじゃん!
バスケ終わってないし〜!
お母さんに「必ず一緒に帰ってきなさい」って言われてるし〜
ジ:スペシャルドリンク、出来たよ!
〇:あ、ありがとう。
仕方なく一口飲んだ。
〇:美味しい!
ジ:だろ?俺は朝食に飲んでるんだ!
そこへ、流星がきた。
藤:それ、俺 好きなやつやん!
ジ:そうだ。昔はよく一緒に朝食 食べたな。
藤:しょっちゅう泊まって、朝食 食べて、帰って、学校 行っとったわ。
ホントに仲良しだったんだな…
私が居なければ…
ごめんなさい…
心が痛かった。
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☆★vo.109★☆
ゆ・み:〇〇ちゃん、大丈夫?
〇:あ、ゆうきちゃん、みえちゃん…(だっけ?)大丈夫だよ、ありがとう。
み:良かった〜急に倒れるから、ビックリしたよ〜
〇:ごめんね。
私、この子達と、ほとんど初めて話すから、どんな風に対応してイイのか…?
ゆ:〇〇ちゃん、まだジェシー先輩と続いてるんだね〜イイなぁ〜イケメンが彼氏で〜
〇:いや、あの、違、、、
ゆ:てっきり、藤井くんと出来てるのかと思ってたんだよね〜だってさ〜新聞見ちゃったから〜
〇:あ、アレは違、、、
ゆ:ジェシー先輩がいるなら、いくら藤井くんがイケメンでも、浮気なんてしないよね〜
この子、私の話しを聞こうとしてない…
てか、ワザとだろ?!
竜:喉乾いた〜!〇〇、それ美味しい?
ちょうだい!
〇:美味しいよ!はい!
竜:ホントだ!僕も もらってくる!
み:〇〇ちゃん!彼氏じゃない人と、そんな事しちゃうの?
〇:いや、あの子は、、、
み:チョットやめなよ〜
〇:いや、だから、、、
み:ジェシー先輩、可哀相だよ!
姑か!
なんなんだ、こいつら!!
ワザとだろぉ?絶対ワザとだろぉ?!!!
何となくコンタンは分かってる。
ふうかちゃんの為に、私の印象を悪くして、流星から遠ざけようとしてるんでしょ!
そんな事しなくても、もう大丈夫なんだよッ!
ま:〇〇ちゃん、見つけた!大丈夫そうで、良かった〜
〇:あぁ〜まいちゃん!ごめんね〜ご心配お掛けしました!
オアシスきた〜!まいちゃんがいると安心する〜!
そこへ、流星がきた。
藤:俺もスペシャル〜懐かしい味やわ〜
ふ:あっ!藤井くん、それ美味しそう!チョットちょうだい!
藤:ええよ。はい。
えっ!!!
見せつけか?!
マジなんなんだ!こいつら!
ま:〇〇ちゃん…また、顔 怖いよ。
〇:えっ?
ゆ:ねえねえ、そう言えばさ〜輝先輩の事、聞いたよ〜告られたんだってぇ?
〇:えっ!!!輝の事、知ってるんだ…
そっか、学校同じか…
ま:誰だれ?輝先輩って?告られたのぉ?
ゆ:でも、ジェシー先輩いるから、断ったんだよね?!
〇:いや、ジェシーとはもう、付き合ってないから。
え:そうなの?じゃあ、輝先輩にOKしたの?
ゆ:そうだったんだ〜輝先輩、強面だけど、笑顔がキュートだからね〜ギャップにやられたのかなぁ?
〇:いや、OKしてないから。
もう、面倒クサイ!!!
え:もしかして、さっきの子と?年下好みなんだ〜
〇:アレは弟。
ゆ:じゃあ、一緒に歌ってた人?
え:歌上手くて、可愛かったよね〜
〇:違うから。
マジ、面倒クサイ!!!
〇:誰とも付き合ってないから!
ま:〇〇ちゃん、また…顔…
なんなんだよホントに!!!
ふ:〇〇ちゃんって、モテるのね〜羨ましい〜すぐに彼氏できるよ!
誰だ?こいつ!!!
今時、かなりのぶりっ子だな。
しかも、なんで上からなんだよ!!!
ふ:ね〜藤井くんも、そう思うでしょぉ?
藤:・・・そやな。
はぁ?!!!
私、失恋したばかりですけど!!!
あなたに!!!
〇:そんなの、要らないし。
ま:〇〇ちゃん、お代わりもらいに行こうか。
まいちゃんが、連れ出してくれた。
ま:大丈夫?さっきから、〇〇ちゃんらしくないよ。
〇:・・・・・
ま:まぁ、言いたくないなら、言わなくてもイイけど。
〇:ごめんね。
︎•••••••••••••︎•••••••••••••︎
☆★vo.110★☆
あーッ!帰りたいーッ!
このままじゃ私、ホントに爆発しちゃうよぉ〜!
神:まだ怒ってんの?
〇:ヒロ〜!
オアシス二号だわ〜!
神:ちゃんと話し合ったん?
〇:うん…
神:じゃあ、なんでまだ怒っとるん?
〇:・・・・・
神:流星の事、好きなん?
〇:っ!!!違うよっ!!!
図星がなんかムカついた。
でも、ヒロに八つ当たりは無いよね…
〇:ごめん…そういう意味じゃなくて…
もう、終わったから。
神:そっか…
俺も。こないだは、ごめんな。
ジェシーのところに戻るのかと思っとったから…
〇:ううん。でも、それは違うって言うか…
そりゃあ、ジェシーは素敵な人だし、付き合ってた時は、ホントに幸せだったけど…
神:違うんやな…俺も…
〇:ヒロ…
この気持ちを言葉にするのは、難しくて。
でも、ヒロには伝わったみたいだった。
神:大丈夫や!
ヒロは私の頭をポンポンしてくれた。
神:俺も、ジェシーも、モテるやん!?(笑)
〇:そうだね!(笑)
っ!!!また、流星に見られてた!!!
そっか、もう、関係ないんだ。
私が誰と何しようが、関係ないんだ。
ずっと、あの子といるし、やっぱり、そういう事なんだな…
︎•••••••••••••︎•••••••••••••︎
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。