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第7話

『 君となら・・・ 』61〜
『君となら・・・』


☆★vo.61★☆

会場はザワつき、「えーッ」って声もたくさん聞こえてた。

勝手なのは分かってる…


濱:よっしゃ!やったろ!
      受けて立つわ!!!
      やれば出来る子、見せたるわ!!!


崇裕が言うと、他のバンド出演者からも、賛成の声があがった!


濱:俺かて、そのくらい出来るわ〜!!!
○:ムダに大声〜(笑)
べ:〇〇〜お前やるな〜!
      革命だわ〜(笑)
○:背中を押したかったんです(笑)
      『前へ進む力』になれるか、分からないけど…


私は、色々な人に声をかけられながら、
見に来てくれていた友達の所へ行った。


シゲ:〇〇、大丈夫なん?
○:何が?
シゲ:前回のテスト、メチャメチャ順位良かったんやろ?
○:そうだね、本気で頑張らないとね!



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☆★vo.62★☆

照史の様子が、何だか変だった。


○:どうしたの?元気ないよ?
桐:俺、無理やわ。
○:何が?
桐:勉強嫌いやねん。
○:何それ?!一緒に頑張ろうよ〜
桐:頑張れへんって!


照史らしくなかった。
いつもポジティブで、前向きなのに…


○:どうしたの?何かあった?
桐:何も無いて。
      ただ、出来ひんもんは出来ひんのよ。


照史が、いつもと違う事に気付いてたのに…売り言葉に買い言葉だった。


○:何それ!照史らしくないよ!
桐:らしいってなんだよ!
      出来ひんもんは、しょうがないやろ!
○:やる前から出来ないなんて、オカシイでしょ?!!!
桐:俺は〇〇とは出来がちゃうねん!
○:別に追い付けって言ってる訳じゃないじゃん!!!


私はまだ、ミュージシャンのスイッチがオンになっていたらしい。


○:マジで言ってんの?
桐:マジやで。そんなん乗れんわ。
○:もう、分かった。そんなだとは、思ってなかったよ。
桐:俺なんて、そんなんや。


こんな照史、見たくない。

怒りが思わぬ言葉を口にした。

つい、やってしまったのだ…


○:そんな照史、好きになれないよ。
      もう、別れよう。
桐:分かった、ええよ。別れよう。


!!!えっ?!!!


次の瞬間には、事の真意に気付いた。


やられた…


照史は、コレを狙ってたんだ…
照史が、そんなネガティヴな事を言うはずがない。
分かってたはずなのに、見抜けなかった。
しかも、みんなの前で…

私は、自分の不甲斐なさと、照史の優しさに、心が押し潰されそうだった。



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☆★vo.63★☆

何も言わず去って行った照史を、ただ呆然と見ていた私に、誰かが言った。


輝:〇〇行けよ!後悔するぞ!


輝?


!!!はっ!!!


私は我に返った。

照史を追わなきゃ!
そう、、、後悔する前に!

休日で多くなっていた通行人を、縫うように避けて走った。


○:照史ッ!


照史が振り返った。
私は走った勢いのまま、照史にしがみついた!


桐:どんだけやねん。
○:だって私、約束の1ヶ月過ぎても、別れるつもりなかったから、、、
桐:もう、遅いで。別れてもうた。
○:ヤダ。


私は照史にしがみついたまま、離れられなかった。
照史の優しさは、私が強くいられる、大きな支えになっていたんだ。

でも、もう遅かった。
あの時の照史の決心では、乗り越えられなかった壁が、そこにはあった…

私は、ゆっくり手を離した。


○:いつの間に、、、私の事、すっごく知っちゃったの?!
桐:そりゃあ、毎朝 会って、いっぱい話したからな〜(笑)
○:そっか。
桐:〇〇 ライブの時、人格変わんねん。
○:そっか。
桐:そんな突っ走ったら、そのうちコケるで!?
○:そっか。
桐:でも、〇〇やったら支えてくれる奴、沢山おるやろ。
○:そっか。


もう、何も言えなかった…


桐:ごめんな。守ってやれんくて。
○:ううん、、、


泣かないでいたのに、、、
無理だ…

最後に照史は、泣いてしまった私を、強く抱きしめてくれた。


桐:楽しかった。ありがとう、、、


照史は優しくて、男らしくて、本当に最高の彼氏だった。


なのに私は、照史を傷つけただけだったんだ…



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☆★vo.64★☆

帰り道。
ぼーっとしていた私を見兼ねたらしく、流星が同じバスで帰ってくれていた。


○:あれ?流星、なんでいるの?
藤:荷物運びやな。
○:あっ!ごめん。


いつの間にか、流星が私の荷物を全部持っていてくれた。
バックとか、ギターとか、花束とか…

荷物を受け取って、家で下ろしたが、、、
このまま、バイバイするのが怖かったから、私は流星を、ある所に誘った。

それは、前から連れて行こうと思ってた所。
私は、つまづいた時の拠り所にしていたんだ。


ピンポーン!


○:こんにちは〜〇〇です。
お:〇〇ちゃん、よう来たね〜(笑)
○:実は、おじいちゃんに会わせたい人がいて…
藤:えっ?俺?
○:他に誰が居るのよ!?
      覚えてる?この、おじいちゃん。
お:〇〇ちゃんの彼氏かい?
○:違うよ〜(笑)
      前に、おじいちゃんが助けてくれた、喧嘩してた奴だよ〜
藤:えっ!あの時の?!!!


そこは、流星が喧嘩していた時、私が助けを求めた おじいちゃんの家だった。

あれから私は、このおじいちゃんと仲良くなり、すっかり孫の様になっていた。

おじいちゃんは、私の一番のファン!
私は、今日のライブDVDをおじいちゃんに渡した。


お:ありがとう!これでまた、長生きできる!
      流星君、仲直りできて良かったな?!
藤:はい!
お:こんな可愛い子、泣かしたらいかんよ!
○:あの時は、泣かされたもんね〜
藤:もう、泣かすような事はしません。
      〇〇と約束したんで!
お:〇〇ちゃん、いい人 見つけたね〜
○:いい人って、そんなんじゃないから〜
藤:ちょっ、待て待て!
      俺、メチャメチャいい人やん!
      荷物運びだってするし!
○:『いい人』違いや‼️
藤:へっ??
○:おじいちゃんが言ってるのは、付き合ってる彼氏とかの事!
      良い人悪い人の『いい』じゃないの!(笑)


流星の天然で、おじいちゃんも爆笑していた。


お:ほら やっぱり!いい人じゃないの〜!?



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☆★vo.65★☆

近くの公園。
あの時、流星が喧嘩してた場所。

もう、すっかり暗くなっていたのに、私は帰りたくなかった。

それを察したのか、


藤:ちょっと座らへん?


私達は、ベンチに座ってみた。

でも、なぜか言葉も出てこなく、空白の時間が流れた。

私は、これからの事を考えるのが怖かった…

無くした物の大きさが、想像を遥かに超えていたんだ。


藤:なぁ、〇〇?
〇:ん?
藤:俺の事、知っとった?
〇:まぁ〜顔と名前くらいだったけどね。
藤:俺が〇〇を知ったんは、小五の時。
〇:えっなんで?小学校 違ったよね?
藤:おん。俺の学校にミニバスの試合に来た時、〇〇を見つけたんや。
〇:えーッ?!!!
藤:あの時から、俺は見とった。
〇:は?
藤:〇〇がギター始めたんも知っとる。塾に行ってたのも知っとる。部活の帰りに買い食いしてたんも知っとる(笑)


どういう事?
もしかして流星って、ヤバイ人?



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☆★vo.66★☆


藤:中学で一緒になるの楽しみにしてたんやけどなぁ〜、一度も同じクラスにならんかったなぁ〜?!


その時、ボンヤリと思い出した記憶。

中学の入学式の日。
私は階段で思いっきりコケて、筆箱とかばら撒いちゃって…

誰か男子が一緒に拾ってくれて…
「大丈夫か?きいつけや。」って、、、
確かに関西弁だった…

流星だったんだ。

私とは同級生なだけで、何の接点も無かったと思ってたのに。


藤:望の事、好きなんやろ?!
      凧場で見た時、すぐ分かったわ。
〇:・・・・・
藤:せっかく偶然 再会したのに、彼氏おるし、他に好きなやつもおるし、ヤンキーには好かれるし。
〇:・・・・・
藤:ずっと後悔やった。あん時、〇〇の腕を振り払った自分が、許せんかった。
バチが当たったんやな。再会したのに、俺の入りこむ隙間なんて無い…



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☆★vo.67★☆


流星、、、


流星に左手を引かれながら走った時、全ての景色が違って見えた。

刹那さの中で、精一杯の力で もがいて、光が差す方向へ、ただひたすらに進んでいる。
そんな光景だった。

私はあなたに、何ができるの?
知りたくて、知りたくない気がしてたんだ。

私は、何も言葉に出来ないまま、たくさんの事を考えていた。


藤:照史がいた場所に、隙間はあるか?
〇:えっ?
藤:俺…じゃあ、、、ダメか?


言葉にしなくても分かる。

今、私の中にあるのは、隙間と言うより、大きな穴。

でもそれは、、、そんな簡単に埋まるとは思えない…


それに、望の事も…


〇:ごめん…
藤:・・・・・だよな。
      俺こそ、ごめんな。


流星は家まで送ってくれた。
今日は、曲り角まで行く流星を見送らず、家に入った。

この穴が埋まるなんて、あるのかなぁ?
前あった穴は、新しい恋が埋めてくれた。



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☆★vo.68★☆

そう言えば、、、小六の時、、、
家の前で、何かを拾おうとしたら、ランドセルが空いてて、中身全部出ちゃった事があって、、、
その時も、誰かが駆け寄ってきて拾ってくれた。
「おっちょこちょいやな〜」って、、、

そんな記憶が、いくつも思い出されて、流星だったんだ、、、全部。

なのにどうして、あの時、私の手を振り払ったりしたの?

私はやっぱり知りたいのかもしれない。
流星の中にある、影になっている、暗い部分を。


この日から私は、猛勉強してるか、ボーッとしてるかのどちらかだった。

『みんなとの約束』

私はコレに救われてたのかもしれない。

照史を無くした私が居場所にしたのは、
理科室だった。

音楽室とは違い、ほとんど誰も来ないし、横の部屋には淳太先生。
分からない所があれば、すぐに聞ける、打って付けの場所だった。



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☆★vo.69★☆


重:やっぱりココや〜


ウルサイのが ふたり来た…
隠れてたのにぃ~


○:もう~何で分かるのよぉ?
重:あったりまえやろっ!単純やからすぐ分かるわ!
〇:それは、そっち!
望:あのさぁ、、、○○さぁ、、、
重:応援団やらへん?てか、マネージャー!


チョット照れながら言う望に、割って入るシゲ(笑)

この二人の関係は、何があっても変わらないんだな~
私は、そんな二人の関係を尊敬していた。

だから、普段の私ならば、やるんだろうけど…
今は、乗り気になれなかった。

私は無意識に、『これから』を考える事を拒んでいた。

今は、今やらなければいけない事があって、それに集中してないとダメになっちゃう気がしたんだ。


○:ごめん。チョット忙しいって言うか、、、
重:そっか。残念やけど、しゃ~ないな。
○:でもさぁ、応援してるよ!
重:応援する人を応援するんかい(笑)
○:望、頑張ってね!
望:おんっ!(笑)
重:俺は?
○:はいはい。
重:お~れ~わ~~?


ウルサイのはひとりだった(笑)


望:○○も頑張れよ!(笑)
○:う、うん、、、



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私は、ぼーっと窓の外を見ていた。

テストの答案用紙が配られていた。

「〇〇!はい!」前の人から渡されたのに、気付かなかった。

「始め〜!」
やばい!集中しなきゃ!

私は手首に付けていたヘアゴムで、少し高い位置に髪を束ねた。

望は、そのしぐさを見ていた。

見ていたと言うより、、、
いつも下ろしている髪を、束ねた後ろ姿が、すごく新鮮で、それに見とれていたのだ。


中:テスト、始まっとるぞ〜(ニヤ)


後ろから来て、望の耳もとで言った。


望:うっさいわ!


キーンコーンカーンコーン〜♪


あっという間に終わった。
私は何とか集中し、回答を埋めた。


中:一番後ろのヤツが集めてな〜


一番後ろの席の望は、集めた答案用紙を、淳太先生に渡した。


中:まぁ〜分からんでも無いけどな(ニヤ)
望:っ!!!エロッ!!!
中:何がや!お前やろ!
望:淳太、それマジで やばいで!
中:お前や!



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☆★vo.70★☆


キーンコーンカーンコーン~♪


全部 終わったぁ~!


里:行っくよ~!
重・望:早っ!


私達はいつもテストの最終日に、寄り道して帰る。
アイスを食べて帰るんだぁ~


里:テスト終わって、応援団も始まるね~
重:おぅ!気合だけは十分だわいっ!
〇:シゲは望のマネージャーでしょ?!
重:なに言うてん!俺かてフレフレするわいっ!
望:ほな、体力つけんとな!それ くれ!
里:こらっ!!私んだよ!!
〇:じゃあ、私にくれ!
重:いやいやいやいや、俺んだぁ~!!!
里・望・〇:あぁぁぁぁぁぁぁーーーッ!!!


すっごく楽しかった。
だって、望のキラキラの笑顔を たっくさん見たから。

私はまた、ずっと見ていたいと思った。
でも、そう思うたび、セツナかった。



明日から何を頑張ればいいの?



私は完全に、進む方向を見失っていたんだ…


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